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米市場・米ドルに相対的に強気なワケ:モハメド・エラリアン
2020年4月25日

アリアンツ首席経済アドバイザー モハメド・エラリアン氏の23日の発言: 米市場と米ドルについて相対的に強気の見通しが述べられ、鮮烈な理由が語られている。


みんながモラル・ハザード・トレードに惹かれる理由はわかる。
過去数年とてもうまくいったからだ。
でも、私はそれに安心できない。

エラリアン氏がBloombergで、市場が慣らされてきた投資戦略についてコメントした。
エラリアン氏が「モラル・ハザード・トレード」と呼んだのは、危うい状況になったもの、なった時に賭けるというやり方だ。
価格が下がった時に買っておけば、必ずFRBが救済してくれるという仕組みだ。

「モラル・ハザードに賭けるのは安心できない。
救済に賭けるのは安心できない。」

エラリアン氏は、モラル・ハザード・トレードが通用しないとは断言しない。
しかし、少なくとも同氏は選択しないと話す。
同トレードはレポ(米国債)、投資適格債、ハイイールド債と対象を広げてきた。
市場は今後、さらにその先へと拡大されると期待している。

リスクを無視してFRBが介入し株式を買うとの考えには間違いなく安心できない。
もしもそうするなら、もはや私たちはゾンビ企業の生産性またはダイナミズムについて語らなくなるだろう。
かわりに、もはや資本を効率的に配分できないゾンビ市場について語ることになるだろう。

FRBがハイイールド債の一部を買い入れると発表した時、エラリアン氏は主にFRBの財務面に対する心配から強く批判した。
FRBによる株式買入れ観測について同氏は、資本主義の機能不全の観点から強く懸念している。
この議論が正しいとするなら、もはや日本市場はゾンビ市場ということになる。

エラリアン氏は、今後の投資環境が全体的に以前より難しいものになると暗示している。
そのため、絶対的に良い投資先を探すのではなく、相対的に良いものを探すことが重要と話す。
エラリアン氏の一押しは米市場であり米ドルだ。

私は欧州・新興国市場との比較で米国から引いてはいけないと言い続けてきた。
相対的には米国はアウトパフォームを続けるだろう。
ドルを減らしてはいけない。
旅路の間も目的地でもドルは強い通貨であり続ける。

かつて債券王と呼ばれたビル・グロス氏とともに世界最大の債券ファンドPIMCOを率いたエラリアン氏は米市場と米ドルに強気だ。
一方、現在、債券王と称されるジェフリー・ガンドラック氏は米市場と米ドルに弱気だ。
債券投資家の中にこれほどのスペクトルがあることは興味深い。

なぜ、エラリアン氏は米国に相対的に強気なのか。
主因の1つは、どうやら同氏がソブリンと企業のデフォルト・リスクを重く見ている点にあるようだ。
そこに相対的な差が存在するのだ。

デフォルトは起こる。
例えば新興国市場を見ると、今はまだデフォルトの波が押し寄せるとの見方が少ない。
それが経済に影響するが、米国とは異なり救済は行われない。


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