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米市場は20%のミスプライス:ヌリエル・ルービニ
2020年5月29日

ヌリエル・ルービニ ニューヨーク大学教授は、米経済回復がデレバレッジを要する長いプロセスとなり、米株価は経済に比べて20%ほど割高になっていると指摘した。


年末にはまだ株式は弱気相場の領域にあるだろう。・・・
おそらく米株価には今20%のミスプライスがあるだろう。

ルービニ教授がBloombergで、米国株市場が実体経済より先を行きすぎていると警告している。
ウォール街は経済回復についてV字回復を織り込んでいるとし、それが現実的でないと主張する。
教授は、今回の経済回復も「デレバレッジ回復」になり、時間がかかると予想する。

「FRBの政策立案者を含むほとんどの人は、レバレッジが高く数百万人を解雇した企業セクターの大規模なデレバレッジが起こると理解しつつある。
だから、回復は企業セクター・家計セクターの両方で弱弱しいものとなり、支出を減らし貯蓄を増やし、企業セクターでは設備投資を減らし、家計セクターでは住宅投資を減らすだろう。」

リチャード・クー氏の「バランスシート不況」に似た状況が起こり、それが本格的な経済回復の足を引っ張るとの考えのようだ。

ルービニ教授は米国株のミスプライスについて説明した。
1つ目は、予想EPSが楽観的すぎるというもの、V字回復を前提にしているとの指摘である。
2つは、資本コスト低下だけを見ているもの。
教授は、利益が減っている時はPERによる評価が下がるべきと主張している。
最後に、S&P 500の予想益回りと長期金利の差で見た株式リスク・プレミアム(株式のリスクをとることに対する報酬)が小さいこと。

「今300 bp程度になっている。
世界金融危機の間は700 bp前後だった。
だから、とても高ボラティリティ・高リスクの中で、リスクテイクに対する報酬が得られていない。」

ルービニ教授は、V字回復期待について、米国株市場に特有の傾向だという。
外国株や米国を含む国債市場などは、いずれも異なる傾向を示していると話した。

米国株は唯一V字回復を織り込んでいる市場だ。・・・
米国株市場の挙動は極めて特異だ。
他の金融市場は基本的に世界経済の回復をV字ではなくU字と織り込んでいる。


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