米市場の長期期待リターンは実質2-3%:ジェレミー・グランサム

大手投資会社GMOの共同創業者ジェレミー・グランサム氏が、米国株市場の長期見通しを語った。
米市場は長い年月をかけて調整する局面に入り、高いリターンは望めないという。


「私は本当に大きなバブルに終わりが来ることを願っていた。
過去の3回の経験、住宅バブル崩壊、2000年のテック・バブル崩壊、日本のバブル崩壊のようにね。」

バリュー投資家でありバブルの研究者でもあるグランサム氏がCNBCで、これからやってくる弱気相場の難しさを語った。
逆張り投資家である同氏は、市場の大きな下落を待っていたのだ。
典型的な下落局面は次の展開が読みやすかった。

(これら3つは)いずれも典型的なもので、熱狂と株式市場の急騰とともに終わった。
これらは簡単だった。
その後に絶望的な下落がやってきた。
これが起こることを期待していたが、起こりそうにない。

今回の市場サイクルの終わり方はいつもとは異なったものになりそうだとグランサム氏は予想する。

「トレンドのPERはかつて15倍だったが、20年間で20-21倍に上昇した。
これはかなり高く、しばらくの間はバリュー投資家が望むような水準までは戻ってこないだろう。
ゆっくりじりじりと2/3ぐらいは戻ってくるかもしれないが、通常のように5-7年ではなく20年かかるだろう。
だから、3段下がって2段戻るような感じで、いつもの経験とは異なったものになる。
それでも、私の中ではどんどん現実味が高まっている。」


過去2回の米市場の大幅下落は大幅ではあったがすぐに持ち直すという側面もあった。
こうした動きの場合、投資家、特に逆張り投資家にとっては決してつらいばかりの経験にはならない。
下落の後にはチャンスが待っているからだ。
しかし、グランサム氏が今予想する下落は、日本が1990年代に経験したような長い年月をかけてじりじりと下げていくタイプの下落だ。
米株価は金融緩和の恩恵を受けて高水準にあり、このコストを払うのに時間がかかるのだ。
グランサム氏は「この株価では、石から血は絞れない」と話し、相当な期間、米国株市場が魅力的な市場にはならないと言い放った。

GMOの人ならベア派でもブル派でも、20年といった長いホライズンで米市場が(インフレ調整後の)実質ベースで2-3%リターンとなると見ている。
過去100年では実質6%だったから、かなり痛い。
世界の終わりではないが、そうなれば多くの人の心が砕かれるだろう。

グランサム氏は、今後5-6年で見て、米国株市場は上昇するより下落する可能性が高いという。

「市場が上がったとしても、大きなものにはならないはずだ。
それが一番大切な考えだ。」

つまり、リスク/リターンのトレードオフを考える上で、リターンは大きくならないことを認識しろというわけだ。
これは、グランサム氏の主戦場であるバリュー株でも大きくは変わらないようだ。
他よりはましだろうが、良好なパフォーマンスは望めないと話している。
さらに、一言でバリュー投資といっても、それを実行するのはどんどん難しくなっているとこぼした。
コンピューターやAIを用いた売買が大きくなってきたためだ。

「バリューを見出すのに幅広く複雑で正確な計測が必要だ。
これは簡単にはできない。
以前は会社に行って高利回り・低PERの銘柄の中から好きなのを買えばよかった。
それで人生幸福だったが、今ではそうはいかない。」

米市場がバリューでもダメとなれば、何を買えばいいのか。
グランサム氏の視線は外国市場に向かっている。

もしも米国以外なら、間違いなく新興国市場だ。
バリューに重点をおけば6-8%よりもいいリターンが得られるかもしれない。


 - 投資 , , ,