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米国42年、日本150年、欧州450年:レイ・ダリオ

レイ・ダリオ氏が従来からの持論を繰り返しているので、今回も存分に楽しんでみよう。
同氏は自身のSNSでいくつか数字を呈示している。


まずは、この数字:

450年

この数字は、欧州債券の(元本償還を除いた)回収期間なのだそうだ。
ダリオ氏は、「私が100ドルを上げたら、100ドルが帰ってきて、上げた金額に加えて見返りが得られ始める年数」と定義している。
これは、超長期債利回りの逆数であり、株式におけるPERに似た概念だ。
(何で元本償還を考慮しない?
ダリオ氏は今回説明していないが、この普通ではない計算法を用いるには訳がある。)

ちなみに、日本でも150年と長い。
いまだに高成長を続ける中国でも25年だ。

債券の回収期間(名目)(出典: ダリオ氏のSNS)
地域 年数
米国 42年
欧州 450
日本 150
中国 25

しかし、現実はもっと深刻だ。
なぜなら、上の計算はインフレを考慮していない。
もしも、インフレを考慮すればどうなるか。

米国では500年超、日欧では購買力を取り戻すことは二度とできない。
実際、これらの国々の債券を買えば、将来はるかに小さな購買力しか得られないことが保証される。
インフレより少ない金額しか得られないなら、インフレと同等あるいはそれ以上のモノを何でもいいから買った方がいいのではないか。

年金基金、保険会社、商業銀行などは、安定的な運用や規制上の要求を実現するため、少なからぬ債券をポートフォリオに持たざるをえない。
しかし、日米欧のリスクフリー資産を保有することは(少なくとも平均において)リスクなく経済的損失を被ることを意味する。

だから、ダリオ氏は債券(や現金)以外の資産を保有すべきと主張するのだ。
そして、その尺度として、ダリオ氏流の回収期間が意味を持つようになる。
米国におけるその数字が42倍ならば、インフレに強い、手堅い株式について42倍程度のPERが許容されるのではないかとの暴論も出て来よう。
もちろん、同じ42倍ではないのだが、ざっくりとしたイメージを持つためのヒントにはなるのかもしれない。

同時に、高格付のソブリンにはキャップだけでなくフロアもついていることを忘れるべきでないだろう。
さらに、格付とは通貨安に対して無力であることも注意すべきだ。


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