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米国株式市場例外論は健在か?
2023年11月1日

米財政悪化が米金利上昇の一因となっており、金利上昇が米市場を揺さぶっている。
それにもかかわらず、米市場に対して強気な見方がコンセンサスとなっているようだ。


特に現在のような(市場)循環の状況では、クォリティ株を選好することでアウトパフォームし続けることができると考えている。
米国は、その恩恵を受ける上で地域的に最良の位置にある。

PIMCOのエリン・ブラウン氏がBloombergで、米市場例外論は終わったのかと尋ねられて答えた。

ブラウン氏は、米市場が例外なのには理由があり、今後も続くと考えている。

  • 米市場の優位性には潤沢なキャッシュフローなど優れた質という裏付けがある。
  • キャッシュリッチの米企業は高金利の恩恵を受けている。

ブラウン氏は、今景気サイクルについてソフト・ランディングを予想しているようだ。
同氏は、年末から来年にかけて、あと一度、FRB利上げまたは市場金利上昇があると覚悟しておく方がよいと話す。
その金融環境の引き締まりはインフレを低下させるが、それでも来年末まで2%台の上の方に居座りFRBの利下げを困難にするとの予想だ。

結局はインフレは低下し、深刻な米経済への痛みはないだろう。
少し経済成長が縮小するが、それは経済成長率がとても小さくなるだけで、必ずしも過酷な景気後退とはならないだろう。

新興国市場投資の大ベテラン マーク・モビアス氏が珍しく新興国でなく先進国について尋ねられている。

概して米金利はピークを打ち、下がり始めたように思う。

モビアス氏がCNBCで米金利についてコメントした。
2つの戦争の状況や米軍事費負担に大きな変化がない限り、米金利上昇は峠を越えつつあるという。
マネーサプライの動向を見る限りインフレが低下傾向にある点を理由に挙げている。

モビアス氏は、現在の国際間の対立や戦争が米軍需産業やインドなどに恩恵をもたらしているとした。
米国株市場が大きく上昇するとは予想しないものの「高い金利にもかかわらず(米市場に)かなり強気」と話している。

モビアス氏は日銀の政策微調整についても尋ねられている。

いつものことだが、日本人は慎重でのろいが、明らかに円に関して日本は何かしないといけない。(笑)
このまま超低金利を維持すれば、ドル円は200円までいくかもしれない。

憎めないおじいちゃんは少々日本の当局をディスっている。
続いて、至極当たり前で常識的な見方を語った。

「日本は、ドル円を150円に維持するか、少し下げる、つまり円を少し強めるために利上げしないといけない。
さもないと、円は大問題になってしまう。」

(訂正: マーク・モビアス氏の名前の表記に誤りがあり修正しました。)


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