米国株上げ幅は上方修正も:ジェレミー・シーゲル

ウォートンの魔術師ことジェレミー・シーゲル教授が、米国株市場について強気を強めている。
昨年末5-15%としていた上げ幅予想を上方修正する可能性が出てきたという。


「その他のリスクとしては、FRBが引き締め過ぎることだが、明らかにこういう話は出ていない。
株の強気派は、水曜日にジェローム・パウエルFRB議長とFOMCからこれ以上ない贈り物を受け取った。
利上げを停止するだけでなく、バランスシート縮小も当初思われていたより小幅になるという趣旨だった。」

シーゲル教授がBloombergのインタビューで強気の見方を強調した。
1月のFOMCで、利上げとともに量的引き締めについてもハト派的なスタンスが明示されたことで、教授の鼻息がさらに粗くなったようだ。
金利上昇だけでなく流動性逼迫の心配も後退し、強気を妨げる材料は大きく減った。
合わせて1月の雇用統計も「完全にすばらしい」数字だったと評価した。

「強い就業者数と労働参加率上昇がよかった。
労働参加率は6年ぶり高水準で、好ましいことだ。
これは労働市場への圧力が小さく、失業率は上昇しているが労働市場の逼迫が少なく、労働市場からインフレへの波及が小さくなることを意味している。」


雇用が増えることは消費の増大をもたらすから経済にプラスだ。
雇用が増えながらも、労働市場に戻って来る人たちが多く存在し、労働市場が過度にタイトにならず、賃金が急騰しない。
結果、インフレ昂進が起こらない。
インフレを恐れる必要のないFRBはハト派的なスタンスをとり続けることができる。

米経済には先月末時点で何ら景気後退の兆しが見られない。

シーゲル教授は、この数週間で米経済の景気後退リスクがかなり低下したと考えている。

シーゲル教授は、昨年末、今年の米国株市場について5-15%の上昇と予想していた。
現在すでに7-8%上昇したため、もう少し上を行く可能性が出てきたと話す。
教授は、政府閉鎖が再び起こるとは見ていない。
一方で、米中摩擦は「ワイルド・カード」であり、リスクだという。
ただし、リスクは上にも下にもなりうる。

「貿易交渉がうまくいって金利がまだ低ければ5%程度の上昇が期待できる。
そうすれば2019年は10-20%の上昇を見通せる。」

教授がこれほど楽観できる背景には、現在の米国株のバリュエーションも効いているようだ。
現在のPERは2018年の利益の17倍。
これは低金利下ではどう見ても高くないという。

「過去60-70年間のS&P 500のPERのメジアンは当年の16倍だ。
8-10%といった大きな利益成長は必要ないんだ。
株式に有利な環境で1桁の真ん中あたりの利益成長があればいいんだ。」


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