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米国株リターンは年5%の時代に:バイロン・ウィーン
2019年9月21日

ブラックストーンのバイロン・ウィーン氏が相変わらずぶれない姿勢を貫いている。
ファクトを重んじる同氏は過度な弱気を排し、中央銀行にも注文をつけている。


あなたは成長が減速していると言うが、いまだ成長しているんだ。
世界中でまだ成長しているんだ。
1%程度かもしれないが、収縮はしていない。

ウィーン氏がCNBCキャスターに反論した。
市場もメディアも心理が大きくスウィングしやすい。
スウィングの中で、米市場は強気バイアスがかかりやすく、米メディアは弱気バイアスがかかりやすいようだ。
ウィーン氏はそうした心理を気にかけながらも、基本をファクトに置いている。
同氏にとっては経済成長が続いているという事実が重要なのだ。

「そういう(心配な)点もあるものの、心配事はいつもあるものだ。」

ウィーン氏は過度に心配しない理由をいくつか挙げている。
強い消費、低い失業率、賃金上昇、貯蓄の増加。
ウィーン氏は、消費が引き続き米経済を牽引すると予想する。

「重要なのは、失業率が60年ぶりの歴史的低水準にあり、消費者の所得が強く、求職者は仕事に就けることだ。
・・・それが続く限り、経済は続き、成長し続ける。」

ウィーン氏の姿勢は金融政策への見方でも一貫している。
従前から同氏は、経済が良好な中でFRBが利下げする理由はないと言い続けてきた。
今週初の短期金利急騰があっても、ウィーン氏の考えは揺らいでいない。
同氏は、世界中に流動性が溢れすぎているとし、過去数日で発生した問題ではないと述べている。

25-50 bpぐらいFF金利を下げたところで何もいいことはない。
金利はすでに低く、借金したい人はすでに安く借りられる状態だ。

まさに20年弱前の日本を思い出させる光景ではないか。
ようやく銀行システムが正常化した日本だったが、民間の需要がない。
だから誰もお金を借りない。
M&Aはあったが、これはニュー・マネーではないから、経済成長への寄与は小さい。
民間が支出しないから、もっぱら政府が支出を続けたが、お金の使い道のセンスの無さから国の借金は増えるばかりだ。

話をウィーン氏に戻そう。
同氏は、問題が過去10年にわたって生み出されたと指摘する。

「世界の中央銀行、FRB・ECB・BOE・日銀は13兆ドルに相当するマネーを生み出してきた。
そして、また金融緩和に回帰しようとしている。」

かつては金融政策は主に経済安定化策、つまり経済の振幅を小さくするための政策だった。
しかし、今では刺激一辺倒の政策になりつつある。

「流動性を洪水のように浴びせかけることで景気後退が起こるのを防ごうとしている。
・・・それはうまくいかないが、あと1-2年はうまくいきそうに見えている。」

ウィーン氏が、あと1-2年もつというのは、トランプ大統領が再選のためにあらゆる手段を用いて景気を支えると予想するからだ。
景気後退をなくすことはできないだろうから、ウィーン氏は選挙後に経済が脆弱になると考えている。

こうした時間軸から導き出される予想とは何か。
ウィーン氏はS&P 500の利益が年末まで改善すると見ている。
しかし、来年以降の米国株は過去のようなリターンは望めないと話した。

債券利回りは上昇するだろうから(株価)倍率の上昇は期待できない。
株式市場の上昇は年5%程度になるだろう。
それに順応する必要がある。
10-15%リターンの年はしばらくはやってこない。


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