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米国株は20年以上実質弱気相場だ:ジェフリー・ガンドラック
2020年4月1日

ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏が、強力な金融・財政政策が投資に与えるインプリケーションを解説している。


『真のマネー』建てでみるとS&P 500は20年弱気相場にある。

ガンドラック氏がウェブキャストで、米国株相場について独特の見方を語った。
同氏が弱気相場を指摘したのは、S&P 500を金価格で除した数字、つまり、金の価値を単位に表したS&P 500の価値である。
ガンドラック氏は、金の価値をより適切な価値の単位と考えているのだ。
この数字はドットコム・バブルの1999年に高値をつけ、その後その高値を更新していない。
言うまでもなく、ドル建て金価格が上昇したためだ。
ガンドラック氏は、1999年以降の株の高値がドルの価値が減価したためにすぎないと言いたいのだ。

米市場に対するガンドラック氏の弱気な見方に、コロナ・ショックは追い打ちをかけた。
非伝統的金融政策、2017年の財政政策だけでもドルの価値に悪い影響を及ぼすものと考えられていたところに、コロナ・ショックでトランプ政権が財政出動を積み増している。
1兆ドル、2兆ドル、3兆ドルといった具合だ。
ガンドラック氏は、こうした政策対応の在り方を「高校の化学の授業での滴定実験」と喩える。

「私は一滴、一滴とても慎重に垂らす。
隣の奴は無頓着に半自動的に垂らしていき・・・どこが分岐点かわからないで終わる。」

中和点を探すはずが、どんどん溶液を滴下していき、ブレーキを踏むべきところを過ぎてしまう。
それですべてが台無しだ。

大規模な財政出動とそれを支える中央銀行による国債買い入れ。
ガンドラック氏は、インフレを生む可能性を心配する。
《債券自警団》とも揶揄されるこうした心配は、もはや議論にもならなくなった。
コロナ・ショックによって、インフレを心配する優先順位が下がってしまったためだ。

「インフレへの分岐点がどこか、そんなことはわからない。・・・
だから、それが起こるまでやり続けるのだろう。・・・
人々に直接お金を送るのは、インフレを迅速に引き起こす最も容易な方法だ。」

ガンドラック氏が、ゴールド建てS&P 500の推移を見せたのは、実質ベースのリターンを知ろうとするためだ。
今後こうした見方がより重要になると滲ませる。

「足元では今後3か月税金が減るから・・・今後1年では株式・債券が意味のあるリターンを上げるかもしれない。
でも、もっと意味のある実質ベースではおそらくないだろう。」

米国でも足元ではインフレなど予感すらできないデフレ的環境にある。
それでも、ガンドラック氏はインフレへの警戒を解かず、米市場への弱気スタンスを崩さない。

次の景気後退には米国のパフォーマンスは良くないだろう・・・
特に実質ベースでは。


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