投資

米国株は向かい風が続く:ゴールドマン・サックス
2021年6月10日

ゴールドマン・サックスのデービッド・コスティン氏が、インフレが米国株に与える影響を概説し、今後1年ほどの投資戦略をアドバイスしている。


株式市場における1つの論点は、一般論として、株式が高インフレ環境より低インフレ環境の方が良いパフォーマンスを上げるということ。
あるいは、インフレ上昇よりインフレ低下の方が概して良いということ。

コスティン氏がCNBCで、インフレと株価の関係を概説した。

多くの人が同様の解説をしているが、言うことがバラバラに聞こえる。
前提がきれいに揃っていないためだ。
それだけに、多くの人の意見を聞いて、前提のズレを把握し、内容を正しく理解することが重要だ。
上記のコスティン氏の解説の良いところは、インフレという変数について積分値だけでなく微分値についても議論している点だ。

現在から9-10月までインフレが高止まりするなら、株式市場にとってやや向かい風になるだろう。
これは、現時点での私たちの年末のS&P 500予想4,300とすり合っている。
だから、今後数か月、現状のインフレ、潜在的なインフレ上昇は間違いなく懸念事項であり、おそらく株式市場にとって向かい風だ。

コスティン氏は、足元のインフレについて「向かい風」と言っている。
日頃強気を続けがちなセルサイドの人物が言うのだから、その通りなのだろう。

では、もう少しだけ長いホライズンではどうなのか。
コスティン氏は、ここでも理解を助けるような一般論をレクチャーしてくれている。
株価を企業収益とバリュエーションに分解し、それぞれに対するインフレの影響を説明する。

  • 企業収益への影響: インフレは概して売上高にプラス。
    ただし、利益までには利益率や税金の影響が及ぶ。
  • バリュエーションへの影響: インフレが金利上昇を引き起こすかによる。
    足下で長期金利は極めて安定的で、現状のPER 22倍も整合的。

この一般論を説明した後、コスティン氏は秋以降の市場を見通した。

PER 22倍について議論すべきはバリュエーションではなく、企業収益の方だ。
私たちが強く注目しているのが税金であり、どのような影響がありうるのかだ。
今年後半に入り2022年を見通すようになるにつれ、企業収益が下方修正される可能性がある。

日頃強気を続けがちなセルサイドの人物が言うのだから、その通りなのだろう。
とりあえず足下の高インフレが一過性とすれば、長期金利の安定が継続するかもしれない。
ならば、バリュエーションは問題にならない。
問題は、法人税率引き上げの場合に直撃を受ける企業収益となる。

コスティン氏は、投資家へのアドバイスを語っている。
基本線はこれまでと変わらずオーソドックスなものだ。

今はバリューとシクリカルに張っていて、経済は間違いなく改善している。・・・
シクリカルは引き続き良いだろう。・・・
長期では、年後半から2022年にかけては長期的グロースがよいだろう。


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