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米国株はまだ長期投資の対象:ジェレミー・シーゲル
2020年1月20日

ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授が、長期投資家に米国株投資を推奨する理由を説明している。


「PER 20倍というのは私の計算では実質で5%のリターンを意味する。
インフレが2%なら名目で7%のトータル・リターンだ。
トータル・リターンは約2%の配当利回りとキャピタル・ゲインの合計。
だから、キャピタル・ゲイン部分は年あたり約5%。
ダウ平均は30,000に近い。
年5%で40,000に届くのに何年かかるか、というのが今日の市場を見る上での私の考え方だ。」

シーゲル教授がBloombergで、自身の株価上昇予想のロジックを解説した。
ダウ平均が4-5年のうちに40,000まで上昇しうるとしたことについて、その内訳を解説したものだ。

年7.5%であと4年上昇すれば40,000の計算だから、可能性がゼロとは言えないのかもしれない。
(5年なら年5.9%。)
ただし、最近の教授の弱気発言とはやや違和感のあるトーンだ。
米国株のPER等バリュエーションは拡大しており、その分将来の期待リターンは低下している。
特に、足元の株価上昇ペースについて、教授は心配を隠さなくなっている。
そのせいか、シーゲル教授は最近、投資推奨を長期と短期で分けている。

この日も教授は長期投資に限定して強気の見方を述べている。

実質ベースでゼロ・リターンとして値付けされている債券よりははるかに良い。
だから、長期投資家にとっては、まだ間違いなく株式は投資すべき先だ。

この議論は、強気派のほとんどの人が口にする議論だ。
ロジックは正しいものの、環境変化への感応度の高さには注意すべきだ。
バイロン・ウィーン氏は年初、自身の実績あるDDMテーブルを示して注意喚起した。
この市場はとても金利に敏感だ。
つまり、株高予想の妥当性は、いかに低金利が持続するかにかかっている。

シーゲル教授は、低金利が相当の期間継続すると予想する。

「私は債券利回りが趨勢的に低い世界にあるのだと思う。
強調するが、以前言ったように、債券利回りが低いのは中央銀行(の金融政策)のためではなく人口動態と経済の力によるものだ。
低成長、高齢化経済、長寿化、高齢の投資家のリスク回避による債券投資。」

低金利が経済のファンダメンタルズによるものという考えに間違いはない。
ベン・バーナンキ元FRB議長は、FF金利の低下が経済の決める中立金利の低下にともなうものと説明した。
経済が振るわないから中立金利が下がり、中央銀行がFF金利を下げることになるという話だ。
一方、金融緩和も金利低下の一因との意見も誤りではあるまい。
長く続いた金融緩和が過剰な資本ストックを生み、資本の最適配分の妨げとなったことで、経済成長・中立金利の低下を助長した可能性は否定できない。

シーゲル教授は、当面の低金利継続を確信している。

特に米国債はヘッジ資産、循環に逆行する資産としてポートフォリオ・マネージャーが好んで保有している。
・・・これらの力が今後長く居座る。
だから、10年債利回りが2.25-2.50%はありうるだろうが、近い将来に4、4.5、5%というのは予想されない。

長期金利2.5-4.0%の間が予想の空白になっているところに注意したい。
2018年第4四半期に突如として起こった市場の混乱は、長期金利が3.25%になったところで起こった。
FRBはこの再来を「近い将来」を通してねじ伏せることができるだろうか。


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