投資

米国株に訪れる「失われた10年」:ブリッジウォーター
2020年6月20日

レイ・ダリオ氏率いるブリッジウォーター・アソシエイツが、米国株に「失われた10年」がやってくる可能性を警告したが、これがほとんどの市場に当てはまる話になっており心配だ。


グローバリゼーションは過去数十年間にわたって先進国世界における企業収益の最大のドライバーであったが、すでにピークに達した。・・・
現在、米中摩擦や世界的パンデミックによって、多国籍企業は、単なるコスト最適化とは真逆の信頼性に焦点を当て、国内回帰やサプライチェーン重複化による動きをさらに加速している。

ブリッジウォーターの16日付の顧客向けメモをBloombergが伝えている。
コロナ・ショックでは当然ながら多くの米企業の利益率は大幅に悪化した。
仮にウィルスの問題を乗り越えたとしても、企業収益は元通りにはならないとの予想である。
米企業に莫大な利益をもたらしてきたグローバリゼーションが逆行を余儀なくされ、企業は利益の一部を犠牲にせざるをえなくなっている。

もっとも、こう主張するブリッジウォーターは、コロナ・ショックで大きな損失を出していると報じられている。
同社の運用ファンドは、主力ファンドの1つ「Pure Alpha II」の20%減少を初めとして、3-4月に15%減少し、その主たる原因は運用成績悪化によるものだという。
(運用ファンドは価値を下げたが、投資家はまだ逃げていないということか。)
非常に大きなマクロ・テーマに取り組む会社だけに、生みの苦しみの期間も長い。
今回の最後には泣き笑いのいずれが待っているのだろうか。

さて、米企業の話に戻ろう。
株価にマイナスなのは利益だけではない。
それに影響を受けるバランスシートも逆風にさらされる。

仮に全体の企業収益が回復したとしても、いくつかの企業は廃業したり株価が下がっていくだろう。
利益水準の低下と現金不足により、企業は、コロナウィルスを乗り越えた後に借金を増やしている可能性が高い。

近年の米企業は、たっぷり儲けてバランスシートを強化し、余力を使って自社株買いを行い、株高を演出してきた。
あるいは、買収を行い、これもまた株式の需給を改善してきた。
コロナ後には、自社株買い・買収に充てる余力が限られてしまうかもしれない。
米国株上昇のドライバーに変調が起こる可能性を、世界最大のヘッジ・ファンドが警告している。


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