海外経済 投資

米国債はもはや投資先にならない:ジェフリー・ガンドラック
2020年3月7日

ジェフリー・ガンドラック氏のCNBCインタビュー第2弾: 各資産クラスについてコメントされている。


株式市場は大きく自社株買いの恩恵を受けてきた。
今、社債市場が弱くなり、それも終わった。・・・
米国債利回りの低下と同じ速さで社債利回りは上昇している。

ガンドラック氏がCNBCインタビューで、米国株市場を背後から引き戻す原因の1つを指摘した。
米国債利回りは低下しているのに、社債スプレッドが急拡大している。
社債利回りが上昇し、これが自社株買いを不利にしてしまう。
結果、これまで民間部門による量的緩和とも言われてきた自社株買いが減ってしまう。
これが株式の需給に及ぼす影響は自明だろう。

ガンドラック氏は現在、米国で2つのセクターが「落ちるナイフ」になっていると指摘した。
金融と運輸だ。

「ある種の交通の停止がなくなるまで何も反転の材料が見当たらない。
金融株はもちろん短期金利のおかげで投げ売られている。」

金融株についてはFRB利下げが効いていると指摘。
かつて1990年代以降の日本、金融危機以降の欧州でも、低金利政策が講じられる中で金融セクターが没落していった。
ガンドラック氏は、米国で同じことが起こりうると警告した。

米国債はもはやお金を儲ける場所でなく失う場所になった。

ついに債券王が、投資先としての米国債にダメを出した。
ただし、ガンドラック氏は、決して短期的に金利上昇の心配をしているわけでもない。
スコット・マイナード氏の長期金利25 bp予想について意見を聞かれて、独自の予想を語っている。

「金利はかなり底に近く、米10年債利回りは80 bpまで行くかもしれない。
10年債が25 bpまで行くとは思わない。
それは単純に過去の動きを外挿しただけだろう。
短期金利は間違いなく低下し、短期金利には上昇圧力が存在しない。」

金利がゼロに近づき、金融緩和の余地はほぼなくなった。
結果、安い金利でお金を借りて財政出動をという話になる。
しかし、ガンドラック氏は、米国債増発が消化できるのか疑問を呈する。

「そうした(米国債)供給が起こった場合、150-160 bpの超長期債、80 bpの10年債の需要があるとは考えにくい。
私は現在金利の動く方向を予想するのがそれほど重要とは思わない。
どうやっても儲からないからだ。」

もちろん、さらに金利が低下すると予想するなら、キャピタル・ゲイン狙いで長期債に投資することもありうる。
しかし、それには常にリスクがともない、リスク/リターンのトレードオフが割にあうのかが重要だ。
ガンドラック氏は、10年債を買うよりキャッシュを持っている方がましと話す。

10年債利回り低下を予想して当たったとしても、いくらも儲からない。
『リターンのないリスク』のところまで来てしまったんだ。

金利というのは下がればいいというものではない。
米国債の投資家は(信用リスクが無視できたと仮定しても)金利リスクを負って米国債に投資する。
期待リターンがあまりに下がってしまえば、リスクを冒す意味がなくなってしまう。
現在のパニックが落ち着き、米国債の緊急避難先としての役割が終われば、投資家はこのことを考え始めるはずだ。

ガンドラック氏は、金利に関連してドル安、金価格上昇を予想している。

金がドル建てでも史上最高値を付けるのはほぼ確実だと感じている。・・・
現在の環境で金融資産に対するオルタナティブ資産を探さなければいけないなら、金対ドルのポジションが利益を上げ続けるだろう。
10年債で儲けようとは考えておらず、他でもっと儲けられるはずだ。


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