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米ドル 米国債の最大のリスクはここにあるのかもしれない

ドルや米国債の凋落を心配しても嘘つき少年で終わるのがこれまでの通例だったが、その時は意外と近づいているのかもしれない。


「中国に責任をとらせるため、いくつかのことを行う必要がある。
中国はこれ(新型コロナ・ウィルス)のことを知っていた。
隠し、透明でなく、情報や研究のためにウィルスのサンプルを共有しなかった。」

マーシャ・ブラックバーン上院議員がFOX Businessで、コロナ・ウィルスに対する中国の非協力的な姿勢を批判した。
これは、多くの国が共有できる意見だろう。

議員は3点提案している。
1つ目は、上院において、中国が非を認め責任を負うべきとの決議を行うこと。
3つ目は、製薬関連の製造拠点を米国内に戻すこと。
これらはまあ気持ちがわからなくもない。
問題は2つ目だ。

2つ目にできるのは、中国に米国債を放棄するよう依頼することだ。
中国は1兆ドルをこえる米国債を保有している。
米国だけでなく他の国、180か国でコロナ・ウィルスの感染がある。

これが現在の連邦の上院議員のレベルなのだ。
この人には債権債務の対応さえ理解していないのかもしれない。
保守系で大統領に近いとされるFOXのキャスターでさえ、具体的に何をやるのか聞き返している。
上院議員が言ったのは

やれることの1つは、単純に中国が放棄することだ。

その後すぐ、話は聞かれてもいない国際機関の運営と中国の影響力の話にすり替わった。

読者の多くは同議員の記憶がないだろう。
議員はテネシー州選出の共和党所属の上院議員。
人気歌手テイラー・スウィフト氏がインスタグラムへの投稿で厳しく批判した相手と言えば覚えがあるかもしれない。
トランプ政権発足時の政権移行チームからの大統領の側近だ。

おそらくこの議員は、こうした発言をすることが米国債のクレジットに悪い影響を及ぼしうることさえ理解できていないのだろう。
借金をしすぎて払えなくなったら、どこかの不動産屋のように、債務リストラを要求すればそれですむとでも考えているのだろう。

米国債が売られるという心配をする人が少なくない。
その一方で、すぐには実現すると思えないのも事実だ。
しかし、伏兵は至るところにいる。
債務者の最高意思決定機関のメンバー、それも大統領に近い議員が、軽々しく事実上のデフォルトを提案する。
それが思わぬ引き金を引かないと言い切れるだろうか。

言うまでもなく、この債務者は日本最大の貸し先である。


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