政治

米国は革命・内戦の瀬戸際:レイ・ダリオ
2020年12月3日

ブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏が、米国の状況について革命・内戦の瀬戸際と書いている。


典型的には大きなサイクルは平和と生産性の時代とともに始まる。
平和と生産性は不均一に富を増やし、それが極めて少数の人に例外的に大きな富と権力を与える。
その後、行き過ぎて、悪い時代を迎える。
悪い時代は最も貧しく力のない人たちに最も過酷に当たる。
それが対立につながり、革命や内戦を引き起こす。
それが終わると、新たな秩序が生まれ、再びサイクルが開始する。

ダリオ氏が自身のSNSで、執筆中の『変わりゆく世界秩序』(仮訳)の新たな章を公表している。
弁証法やマルキシズムを思い出させるような歴史観だ。
今回の章も大作になっている。
いくつか興味深いところを紹介しよう。

上記は、ある国が経験するサイクルを国内的に捉えたものだ。
いつものような覇権国家の交替というテーマではないが、それと同期して起こるものと捉えられているようだ。
ダリオ氏は「大きなサイクル」の金融的側面にも触れている。
上記サイクルを、原文に掲載された図にもとづいて書き直してみる。

  • 新たな世界秩序の始まり
  • 繁栄
  • 債務バブル
  • 富の格差拡大
  • (ここでピークを迎える)
  • 債務の爆発的拡大
  • 貨幣・信用の増発
  • 革命・戦争
  • 債務・政治のリストラ
  • 新たな世界秩序へ

矢印が中国から「債務バブル」あたり、米国から「貨幣・信用の増発」あたりに引かれている。

今は、金融状況が悪く対立が深まっている状況にある。・・・
米国は、管理可能な国内緊張から革命や内戦に移りうる転換点にある。
米国ほかの国がそうなるのが不可避と言っているのではないことを明確にしておきたい。
しかし、現在は、将来のすべての可能性を理解するための兆候を知り注視すべき、特に重要な時である。

確かに米大統領選では、再び南北戦争が起こるのではと心配させるような局面もなくはなかった。
その心配は今のところ杞憂に終わりそうだが、問題の根源が解決する見通しがあるわけではない。
ダリオ氏のサイクル論を信じるなら、何かカタルシスがなければ次のサイクル、次の繁栄に移れないようにも感じられる。
おそらく政権移行を意識しているのであろう、ダリオ氏は問題解決の一法を過去2500年の歴史から導いている。

孔子の前、紀元前500年あたり以降私が歴史を勉強した中で見出した不朽・普遍の真実とは、なるべく幅広い人々を活用し、その特権でなく長所に基づいて責任を与える社会こそ最も持続可能な成功を収めるということ。
そうした社会は、仕事をうまく果たすのに最良の人材を求め、多様な視点を持ち、社会の安定をもたらす最も公正な社会との認識を得るからだ。

レント・シーキングもネポティズムもない社会。
どこにあっても夢の世界なのかもしれない。


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