ローレンス・サマーズ元財務長官(現ハーバード大学教授)は、FRBが来年末までに利上げに追い込まれるとし、1970年代を例に難しい状況に陥る可能性を指摘した。
私は利上げが2022年末までになされると予想している。・・・
インフレとおそらく経済の過熱によってそうせざるをえなくなる。
経済再開がうまくいけば特に財政政策が燃え上がり、正常な金利でも良い、となる。
サマーズ氏がBloombergで、コンセンサスよりはるかに早い段階での利上げを予想した。
FRBは金融緩和の出口(テイパリング・利上げ)について議論するのも時期尚早としている。
それはとても困難な変化になる。
デフレ防止に一辺倒、社会的平等の推進に一辺倒のFRBのコメントからは、それが見えてこない。
FRBは、自分たちが向かっている時代を認識できていない。
サマーズ氏は、リーマン危機の後、21世紀の趨勢的停滞論を提唱するなど、ハト派の中心的論客だった。
それが、最近では《悪い警官》役に回ったかのようだ。
現在の金融・財政政策が経済の過熱、インフレを引き起こしかねないとして、内容を見極めるよう促している。
1970年代にFRBが直面した類の課題に直面することになるんだ。
FRBは1970年代(課題解決に)失敗したが、今回は失敗してほしくない。
これら課題の現実を認識し始めなければならず、そうなれば、言い方を大きく変えなければいけなくなる。
1970年代はスタグフレーションと弱気相場の印象が強く残る時代だ。
不況とインフレが同時に起こり、FRBは金融を緩和することも引き締めることもできないジレンマに陥った。
ポール・ボルカーがFRB議長になり荒療治を決断するまで、苦境を抜け出すことができなかった。
後になってみれば、その時が超長期の金利上昇サイクルの終了点だった。
そこから金利低下サイクルが始まり、それが昨年終了したのではないかとの見方が増えている。