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米国は日本化はしない:ダン・ファス
2021年2月15日

Loomis Saylesのダン・ファス副会長が、米市場による低金利の長期継続を予想しながらも、日本化はしないとの見方を語っている。


私は米金利が下がる、低位であり続けるとする派ではない。
最近流行のフレーズである日本化がインフレと市場で起こるとも考えていない。
その意見は買っていないが、起こるかもしれないし、私は懐疑的だ。

ファス氏がBloombergで、債券投資家らしい、1つの方向に賭けることのない意見を述べた。
同氏は米市場においてもかなりの期間低金利が続くことになると予想している。
しかし、だからといって日本化が起こるとは考えていない。
日本の置かれた環境とはまったく異なると述べている。

日本化という言葉を使うかどうかは別として、米国例外主義が終わるのではないかとの意見はちらほら聞かれるようになった。
これまで、投資における米国例外主義はとてもうまくいった。
投資家がすべきことはたった1つ。
S&P 500指数連動のインデックス・ファンドを買うことだった。
それさえしていれば、どんなバブル崩壊を経ても、多少のドル安でやられようが、世界トップクラスのリターンが上がったのだ。

この米国例外主義に異を唱える代表格が、ヘッジファンドの帝王レイ・ダリオ氏。
特に米ドルが減価すると予想し、中国をはじめとする国際分散を奨めている。
債券王ジェフリー・ガンドラック氏も米市場に対し弱気予想を続けている。
ドル安を要因として、米市場が主要市場で最悪のパフォーマンスになると予想している。
こうした意見を信じるなら、投資家は米市場へのエクスポージャーを大幅に減らすべきということになる。

ファス氏の見方はそこまで悲観的ではない。
米国における低金利は日本化のような現象の結果ではなく「過剰流動性が債券市場に向かっている」ためと語る。
しかも、その流れはいつまでもは続かないとし、2つの兆候を話している。
1つはハイイールドのETFの増勢が終わったこと。
もう1つは、新規発行のかなりの部分が低金利を享受するためのリファイナンスになっている点だ。
つまり、債券市場への資金流入は一服しつつある。
もちろんこれにはリスクもともなう。

「多くの発行体のファンダメンタルズは、いくつかではかなり良好だが、多くは悪化している。
だから、現在クレジット環境は危うくなっており、利回りは下がっている。」

債券市場にとっては魅力的な投資対象が見出しにくくなっているが、ファス氏は、過去やったことをやるしかないと言う。
ファス氏の想定する「過去」とは1960年代のようだ。
インフレに苦しめられた1970年代の前の10年である。
ファス氏は、金利水準こそ違えど、債券投資家はイールドカーブに注目しリターンを稼ぐよう工夫するしかないと言う。
同氏はあくまで山を張ることには消極的だ。

私が1つみんなに奨めないのは、この経済のリバウンドがすさまじく、すべてが常態に戻ると考えることだ。
そうなるかもしれないし、もちろんそうなることを願っている。
でも、私はそう賭けはしない。


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