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米国は前借の返済を迫られる:スタンリー・ドラッケンミラー

スタンリー・ドラッケンミラー氏が、米国によるコロナ対応の問題点を挙げ、今後5年間でアウトパフォームが予想される地域を話している。


「様々な政策対応を並べてみると目を見張るものがある。」

ドラッケンミラー氏がゴールドマン・サックスのインタビューで、近年の米政策を中国をはじめとするアジア諸国と比較している。
残念ながら、同氏の語った「アジア」には日本は含まれていないようだ。

「2018年以降、米国のM2は名目GDPの25%を超える伸びだった。
つまり、米国では流動性が25%も増えた。
中国のM2対名目GDP比率は3年前のままだ。
つまり、中国は将来から前借をしていない。」

米国のマネーサプライの伸びは主に政策対応によるものだ。
それが政策によるものにせよ、民間の信用創造によるものにせよ、その状態が持続可能でないのなら、巻き戻しが起こる。
将来からの前借はいつか返さなければいけない。
それは大きな不況かもしれないし、長く続く低成長かもしれないし、不愉快なインフレかもしれない。

ドラッケンミラー氏は、政策の内容にも危機感を滲ませる。

米国は莫大な流動性注入を行い、率直にいって投資はとても少ない。
主に移転支出とFRB刺激策であり、ウィルス対策はひどかった。

財政刺激策が将来の成長につながる投資なら、それが将来の返済の原資となりうる。
しかし、単なる移転支出ならば話は違ってくる。
もちろん必要だから実施された移転支出なのだろうが、将来の経済成長にとってはあまりプラスにはならないかもしれない。

ドラッケンミラー氏は、コロナ対応においてアジアが大きな成功を収めたと結論し、いくつか有望なセクターと地域を挙げた。

個別の分野を見ても、インテルがタオルを投げ、アジアがファウンドリーを持ち、メモリも持ち、ロボットで先を行っている。
今後5年ほどはアジアは米国よりはるかに良いだろう。
いつか、過去9か月に行われ今後も続くと見られる移転支出のつけを、生産性、金利上昇、ドル安といった形で払うことになるだろう。
台湾・韓国・中国の多くの銘柄にかなり前向きだ。

そう言いながら、2つ「ただし」と言い添えている。
長く投資を続ける現役投資家らしい語り口だ。

「長期の話で、今後2か月はわからない。
アジアが株式市場で米国をアウトパフォームし、特に為替市場でそうなるとするコンセンサスと同じなのが残念だ。」


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