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米国が今年犯した最大の誤り:ローレンス・サマーズ

ローレンス・サマーズ元財務長官が、デルタ変異種の経済に与えるインパクトを解説し、米国がやり損ねた重要な仕事について指摘している。


(デルタ変異種は)間違いなく経済成長にとって逆風だ。
しかし、問題は、それが供給側にとっての逆風なのか、需要側にとっての逆風なのかだ。

サマーズ氏がBloombergで、デルタ変異種が経済に与えるインパクトについて答えた。

変異種が経済成長にとって逆風になるという話はほぼコンセンサスだろう。
強力な変異種がパンデミックを深刻化し集団免疫を早めるなどといった極論もあるが、それは生き残る側の都合にすぎない。
経済や社会にとってやはり変異種はマイナスだ。
ただし、話はそれで終わらない。
この問題は、目下の米経済・市場での最大の関心事であるインフレとも関連している。
インフレの問題で、サマーズ氏は一貫してインフレのリスクについて注意喚起してきた。

私が推測するように、それが多分に供給側の逆風である場合、供給が減って経済成長が鈍化するが、物価は上昇する。
だから、デルタ変異種をインフレについて安心させてくれるものとは見ていない。
どちらかといえば、インフレにとってあまり良くないものと考えている。

パンデミック、あるいは米中摩擦・米保護主義が起こるまで、私たちは長らく供給側の問題を強く意識してこなかった。
欲しいものは世界中から安く買えてきたからだ。
そうした環境では、経済に逆風といえば、デフレ的・ディスインフレ的との反射が条件付けされていた。
ところが、状況は大きく変化した。
供給側に問題がある場合、欲しいものが手に入らず売れないために経済が悪化してしまう。
インフレ的、あるいは程度がひどければスタグフレーション的な状況になりうるのである。

この問題を解決するにはどうすればよいのか。
変異種が発生しないようにすればよい。
そのためには世界中で早期にパンデミックを収束し、可能な限りサプライチェーンを修復することだ。

サマーズ氏はぼやいている。

将来歴史家が振り返った時、米国が2021年に犯した最大の誤りを、世界でのワクチン接種のための世界的マーシャル・プランを先導しそこねたことと悔やむのかもしれない。


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