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米債の実質利回りはプラスへ:ジェレミー・シーゲル
2020年8月14日

ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授が、強気予想を続けているが、興味深いのは教授の金利予想の方なのかもしれない。


(株には)まだ上があると思う。
3月初め以降、米国では35%もマネー・サプライが増えた。
これは75年振り(終戦時以来)の増加だ。

シーゲル教授がCNBCで従前の強気予想を説明した。
大幅に増えたマネー・サプライは2021年にも経済・市場に流入し、消費ブームと株価上昇をもたらすという。
教授は来年の米国株が5-10%の上昇になると予想している。

教授はこの数年、誰よりも米国株市場について予想を当て続けてきた。
長く続く強気相場で強気を唱え続け、《永遠のブル》と半ば揶揄される始末だ。
この日もCNBCからやや批判的な質問を受けながらの弁舌となった。
しかし、過去、長期金利が上昇するかと思われた時には急遽警告を発するなど、規律のあるブルなのは間違いない。
また、来年のリターン5-10%予想というのは極めて控えめな予想であることも留意したい。

すべて既出の内容なので、ここではポイントだけ列挙する:

  • ゼロ金利下でのPER 20を予想。
  • 2021年にはウィルスの脅威は低減。
  • 議会は駆け引きを行っているが、ほどなく合意するだろう。
  • 流動性の影響力は政治の影響力を上回る。
  • 仮に選挙で民主党が勝利した場合、財政支出・借金は増える。
  • 失業率が高止まりすれば、ゼロ金利政策が継続。
  • 5%前後のインフレなら株に有利。

シーゲル教授は、米長期債利回りについても言及している。
債券市場が39年に及ぶ超長期の強気相場を終えた、または終えつつあるとして、今後は(株価を害さない程度に)上昇していくと予想した。
来年についてインフレを予想するため、米国ではマイナス金利にはならないとの考えを示した。

債券保有者は、保有するなら50 bp(インフレ分)より高い見返りが必要と言うだろう。
それが金利を押し上げると考えている。

同様の理屈は日欧でも存在したが、それでも債券利回りはマイナスに沈んだ。
米国を特別視するとすれば、それは投資家層の違いだろうか。
シーゲル教授の予想が当たるなら、ドルは他の主要通貨と異なりプラスの実質金利になることになる。
これは、ドル買いを誘引するだろう。
逆にドル金利が円やユーロのようになるなら、現在のドル安の基調(あるいはドル高終了の基調)は大きくは変わらないということかもしれない。


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