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米中資本戦争なら起こるコト:レイ・ダリオ
2020年12月16日

ブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏が、通貨ドルの価値低下についていくつかのエピソードを想定して語っている。


私たちは法定貨幣制度がどこまで持続可能かを試しているんだ。
誰も(どこまでやれるか)定かにはわからない。・・・
支えとなっているものが壊れつつあり、時間とともになくなっていく。
限界を試しつつあるんだ。

ダリオ氏が10月のBloombergインタビューで話している。
現金はゴミ」という言い方ではなく、社会制度に照らした表現となっていることで、よりイメージが湧きやすいかもしれない。
いつものように、長い歴史の中で通貨が辿る道筋を描写している。

「歴史を紐解くと・・・私は長い年月遡ってみたが・・・
すべての通貨は一度また何度かで価値が低下するか破壊された。
これがとても注意すべきリスクだ。」

このインタビューでは、これまであまり生々しく語られてこなかった言葉の内容についていくつか触れられている。
その1つは覇権争いの中で起こる戦争だ。
ダリオ氏はこれまで貿易戦争、技術戦争、地政学的戦争、資本戦争、軍事戦争の可能性を挙げてきた。
このインタビューでは資本戦争のイメージについて述べられている。

「歴史が示すのは、戦争になると、興味深いことに、戦争の前でさえ外国が他者を切り離す戦争が起こる。
必要な資本や物資から切り離すのだ。」

ダリオ氏はこうした戦争の例として戦前の日本を挙げている。
日本は石油など資源や資本の調達の道を断たれ、軍事戦争に突き進んだ。
では、現在どのような資本戦争が起こりうるのか。

「中国は1兆ドルの債券を保有している。
大統領が一方的にこれら債券を償還しない、または他の方法で資本を遮断すると宣言すればできる。」

ここまでわかりやすい展開になる可能性がどれほどあるかはわからない。
しかし、中国が自国の資本市場と人民元の経済圏の育成を急いでいるところを見ると、中国の側にも大きな危機感があるのだろう。
ただし、米国が挑む資本戦争とは米国にとってバラ色のものではない。
中国はいまだ米国債の上得意だ。
そのお得意さんを失うことは、ただでさえ米実質金利が水面下にある中で、ドルや米債にとっても大きな打撃になるはずだ。

現金はこの環境ではダメだ。
債券も私の意見では良い資産クラスではない。
だから、利回りではなく、何が他に富の保蔵手段になるか考えなさい。

ダリオ氏は、こうした環境で恩恵を受ける株式が富の保蔵手段になると主張した。
同氏は、低金利で債券の価格対利回り比率が上昇した分、株価倍率も上昇すると予想する。
オルタナティブに手を伸ばすより、ポートフォリオのバランス・分散が重要だと話した。
(金利が極端に低下すると、債券は利回りが下がるだけでなく、分散効果を失ってしまうと指摘している。)
また、金には歴史的に分散効果が認められ、ポートフォリオに大きな比率ではないものの組み込むべきと話している。


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