米ドル安に賭けるのは早すぎる:モハメド・エラリアン

Allianz首席経済アドバイザー モハメド・エラリアン氏が、金融政策と投資戦略について話している。
この数年強い状態が続いていた米ドルについて、まだドル安は進まないと予想している。


(米中摩擦の悪化を受け)FRBは追加緩和するだろうし、他の中央銀行も追随するだろう。
しかし、それは根本の問題を解決しはしない。

エラリアン氏がFOX Businessで語った。
よくいわれるように、金融政策の主な役目は景気の平準化、言い換えれば時間を買うことにある。
それは多くの場合「根本の問題」を解決することにはならない。

エラリアン氏によれば「根本の問題」は2つあるのだという:

  • 世界経済の成長鈍化: 米国は比較的いいが、世界全体では十分でない。
  • いびつな政策ミックス: 金融政策への過度の依存。

エラリアン氏は、これを解決するために3つの条件を提示する。

  • 公平な貿易: 公平な貿易を実現し、世界のルールにしたがった貿易に戻れるようにすること。
  • 財政政策: 余裕のあるドイツやオランダが財政政策を講じること。
  • 構造改革・成長戦略: 米国やインフラも含むが、特に欧州と中国。

エラリアン氏によれば、こうした処方箋はわかりきった話で、大きな異論の出る話ではないという。
それなのに実現できていないのは、政治的環境がこうした政策アプローチを阻害しているためだと指摘した。

エラリアン氏は、先月末のFRB利下げについてもコメントしている。

「伝統的な経済の議論によれば、FRBが利下げすべきとのサインはない。
経済が本当に鈍化した時のために余裕を持っておきたいなら、今利下げするのはいい考えではない。」


経済が良好な中での利下げであったと指摘する一方、FRBには他に選択肢がなかったと解説した。

市場からコーナーに追い込まれた。
市場はFRBに180度の転換を強いた。
市場は今もFRBに緩和を強いている。

市場が市場の希望をさっさと市場価格に織り込み、その織り込みがFRBを縛り付ける。
市場が利下げを織り込んでいるのにFRBが利下げしなければ、市場は期待外れとなり資産価格は下落するだろう。
資産効果の効きが大きな米経済では避けたい展開だ。
だから、FRBが市場の言いなりになっている。

エラリアン氏は、FRBがこの袋小路から脱出するには、経済成長が強まるしかないと解説している。

エラリアン氏は、米資産に対して(相対的に)強気の見方をしている。
米経済は他の経済に比べてはるかにいい投資先であり、米国への資金流入は今後も続くと予想している。
同氏によれば、米資産を減らして外国資産を増やすのは時期尚早だという。

ドル安に賭けるのも早すぎる。
みんなドルが弱くなると見がちだが、ドルは弱くならない。
経済は強く、名目金利は高く、質への逃避の受け皿だ。
銘柄選択においても、ドルにおいても、米国を減らすべきではない。

エラリアン氏は相対的には強気の意見を述べている。
しかし、絶対的にはリスク・テイクの程度が適切かどうかをチェックすべきと付け加えた。
そのチェックとは、過去数日の下げ相場において投資家がどう感じたかを内省することだ。

「それが、ファンダメンタルズが効き始めた時に投資家が感じることだ。
いつかはそういう日が来る。
もしも、心地よくなかったなら、売らないとだめと思いつめたなら、その投資家はエクスポージャーが過大だ。」


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