ユーロ・パシフィック・キャピタルのピーター・シフ氏が、いつものようにドルの大幅安を予想し、米国に訪れる暗い未来を語っている。
追加の刺激策が実施される可能性はもちろんあるが、その刺激策は経済を助けはしない。
経済の産出量を増やすことはない。
市場を刺激し、株価を押し上げるだけだ。
シフ氏が、市場で期待されている追加の支援策についてコメントした。
財政出動は実体経済を助けることはなく、金融市場を利するだけとの主張だ。
それどころか、米経済を大きく損なうことになるという。
実際の経済を救いはしない。
刺激策が生み出すのは貨幣の価値低下だ。
米政府の財政悪化と中央銀行の貨幣増発が米ドルの価値低下につながるとの指摘である。
シフ氏は長年同じことを主張してきたが、コロナ・ショックで皮肉にも同氏の主張は市場のコンセンサスになりつつある。
シフ氏は、大統領選でいずれの候補が勝利しても今の傾向は続き「バブルの火に油を注ぐ」ことになると予想する。
ただし、財政拡大に前向きな民主党のバイデン候補勝利の方が程度は顕著になるという。
また、バイデン候補は増税を目指しており、それが企業のファンダメンタルズに不利に働くと指摘。
株価とファンダメンタルズの間の乖離が大きくなるとした。
金販売を手掛けるシフ氏は、現在の金相場を地固めの途中と説明する。
それが終われば、はるかに高いところまで上昇すると語る。
「同じ環境で、米ドルは大きく価値を減じるだろう。
これは単に金に対してではない。
ドルは大きく価値を低下させ、ドルより減価の度合いが少ない他の法定通貨に対しても下げる。」
シフ氏は、外国資産への投資仲介も手掛けていたから、この推奨も同氏の生業に有利な予想になっている。
何事も割り引いて聞いておくことが重要だ。
シフ氏は、ドルの価値低下を予想し、お家芸の終末論を展開する。
これは、米国での生活のコストが大きく増加することを意味する。・・・
最終的には、完全にドルの価値を破壊してしまう。
そしてハイパーインフレになり、すべてがどうでもよくなってしまう。