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米ドルは買い:デービッド・ローゼンバーグ
2020年12月24日

エコノミストのデービッド・ローゼンバーグ氏が、最近すっかり少数派になった2021年についての弱気予想を語っている。


ある意味、経済を短期的な二番底不況から救うという意味で(追加財政政策は)小さすぎ、遅すぎた。
(来年)第1四半期はマクロ・データに関する限りとても荒れるだろう。
しかし、市場からすれば、期待しているのは財政政策ではなく金融政策だ。

ローゼンバーグ氏がFinancial Postで、ようやく民主・共和両党で合意に達した追加財政政策についてコメントした。
今後、実体経済は厳しい状況が続くと予想している。

市場とはモラルを指し示すコンパスではない。
市場は、ギャップのあるところにFRBが介入し、市場に劇的に流動性を注入するのを期待している。・・・
市場に影響を及ぼしたのは財政政策ではなく金融政策と流動性注入だ。

ローゼンバーグ氏は、2020年を通して市場が金融政策に注目しそれに影響を受けてきたと総括した。
市場は実体経済に依存するものではなく、経済が困窮しても、寛容な金融政策によって強気相場が続きうる。
ローゼンバーグ氏は、財政刺激策が今後十分に講じられないなら、FRBが追加策を講じることになるだろうという。
同氏はその先を続けなかったが、それが市場に再びプラスに働くのはいうまでもない。
(もちろん、同時にマイナスの出来事も起こっているかもしれない。)

ローゼンバーグ氏は、複数のワクチンがこれほど早く開発されてきた点を「現代医学の奇跡」と称し、素直にプラスに受け取っている。
その一方で、すでに「多くは価格に織り込まれている」と警告した。
現状、多くの不確実性が存在するとし、特に2つを詳述した。

  • 財政赤字・公的債務: 増税なら家計を圧迫し、増税しないなら潜在的に厳しい副作用のリスクを抱える。
  • ペントアップ・デマンド: ペントアップ・デマンドは高々数四半期で終わるが、市場は永遠に続くことを織り込んでいるように見える。

ローゼンバーグ氏は、米ドル相場や金についても見方を尋ねられている。
米ドルについては、他の通貨が米ドルより強いという強力な根拠が見当たらないこと、現状ドルが「とんでもなく売られすぎの状況」にあることから、強気予想を述べている。

私の感覚では、今後6-12か月では、私はカナダ人だが、この水準なら米ドルを買い始めるだろう。

ドルが「売られすぎ」にあるとの話から明らかなように、ローゼンバーグ氏の強気予想はコンセンサスとは逆の方向を向いている。
同氏は(少なくとも最近まで)デフレ予想派であり、それと整合するようにドル高を予想している。
ローゼンバーグ氏はドル相場が正弦波のパターンを繰り返してきたというが、米ドルが「とんでもなく売られすぎ」かどうかは注意して検証しておくべきだろう。

米ドルインデックス

ドル高を予想するなら、通常は金やコモディティに弱気の予想をすることが多い。
ドル建てのコモディティ価格にとってドル高はマイナス要因になるからだ。
しかし、ローゼンバーグは金について買いだという。

金はリスク・オンのトレードと逆相関にある。
金は株式市場と逆相関にある。

まだ市場の弱気派は死に絶えたわけではないようだ。


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