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米ドルの下落を強く信じている:ジェフリー・ガンドラック

債券王ことダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏が、不透明な未来を見据えた投資戦略・配分をアドバイスしている。


FRBははっきりと今後数年短期金利をゼロに保つと言っている。
FRBは約3年間と言っているが、ダブルラインは最低5年間と考えている。

ガンドラック氏の6日のインタビューでの発言をダブルラインが公表した。
同氏は、米国での低金利が長く続くと予想している。
しかもその範囲はFF金利など短期側だけの話ではないようだ。

低金利が続くと見込まれる中、本来は名目金利の内数であったはずのインフレは上昇を始めるかもしれない。
これが投資家の悩みのタネとなる。

「財政赤字は爆発的に増えており、刺激策は最終的にインフレ的な経済につながる可能性がある。
数か月先に予想されるわけではないが、将来、低成長に対する刺激策やインフレ的状況により、投資家は防御のしようがなくなってしまう。
10年債利回りは1%に満たず、インフレは1%強、おそらくFRBが望む2%台半ばに向かうだろう。
(10年債利回りが)操作されているという他に低金利継続の理由が考えられないと頭をかくことになろう。」

現在すでに米10年債に投資すれば(さらなる金利低下がない限り)10年かけて購買力を失っていく状況が成立している。
10年債といえば《リスクフリー金利》の代替として用いられる指標だ。
確かに変動という意味でのリスクは存在しないが、逆にリスクなく購買力を失うという投資対象になっている。

長く続くと予想される低金利はもう1つ大きな変化をもたらしうる。

刺激策が他に生み出すのは、財政赤字の爆発的な増加においては歴史的に、財政赤字の方向性と米ドル対他通貨バスケットの方向性にとても密接な相関がみられることだ。・・・
私は米ドルの下落を強く信じている。
すぐではないかもしれないが、数年のホライズンでドル安になるだろう。

ガンドラック氏はドル相場に関連して米国株市場についてもヒントを出している。
過去の株高が強いドルや強い経済と関係していたとし、その両方とも以前ほどの強さではないと指摘した。

ガンドラック氏は投資を考えるにあたって、前提となる複数の将来シナリオとして各々かけ離れたもの、劇的なものを想定せざるをえないと考えている。
拡張的な金融・財政政策からインフレを連想するのは自然な考え方だ。
その一方で「大きな債務負担がデフレ的な結末を生む可能性」もあると述べている。
そうした不透明な前提の中で、ドル以外への投資、極端な分散投資が必要になると話した。

「以前パーマネント・ポートフォリオをいう名のミューチュアル・ファンドがあった。
今もあるだろうし、10年ほど前に大成功したが、それがやっていたのが25%を現金、25%を金、25%を高格付債券、25%を株式に投資するというもの。
これは良い資産配分だと思う。」

資産を4分するという考え方はマーク・ファーバー氏なども推奨しているが、ファーバー氏の場合は現金・債券あわせて25%とし、代わりに不動産を25%としている。
ガンドラック氏が言及した配分は、ファーバー氏のものよりややリスク・オフの配分といえよう。

ガンドラック氏はコメントの理由を話す。

インフレ的な結末となれば金が助けになり、株式はそう悪くないだろう。
・・・デフレ的な結末の場合、高格付債と現金が(価値)保全に役立つだろう。・・・
金に25%は多すぎるように感じるかもしれないが、これらが互いに打ち消しあうことが、現在の経済・投資の謎に対するバーベル・アプローチに良い効果を与えるのだ。

デフレ/ディスインフレからインフレへの転換は本当に起こるのか。
起こるとすればいつなのか。
これが起こる保証はない。
なぜなら、それこそ日本がこの30年間体現してきたことだからだ。
だからこそ、インフレがやってこない可能性、やってくるまで長い時間がかかる可能性を考慮に入れるべきなのだろう。


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