米カジノ大手を新たに空売り:ジム・チャノス

Kynikos Associatesのジム・チャノス氏が、米カジノ・オペレーター企業Las Vegas Sands、Wynn Resortsのショートを開始したと公表した。
米カジノ大手のショートの背景には、米中摩擦が隠れていた。


「魅力的なのは、マカオがどう見られていようが、米オペレーターの方が中国オペレーターより高く取引されている点だ。
これまではそれが通常だったのだが、米中貿易摩擦を考慮すると、これは不合理になりつつある。」

チャノス氏がCNBCで指摘し、米社の香港市場に上場しているアジア部門をショートしていると明かした。
一方、中国企業をロングしているという。
マカオのカジノ事業で、中国勢が勝ち、米国勢が敗れると読んでいるのだ。
この背景にはマカオにおけるカジノ・ライセンスの更新が近づいている点がある。

「特に、貿易摩擦にもかかわらず、中国当局によるライセンス更新認可の時期が近付いており、交渉が来年から2020年にかけて行われる。
多くのライセンスが2020-21年に期限切れになる。
・・・
中国がこれを交渉材料にするかもしれない。」


チャノス氏は、米中摩擦がそう短期間では終わらないと読んでいる。
中国政府はこれを交渉材料の1つにするかもしれない。
そうなれば、マカオでカジノを営業する米企業は事業存続の危機にさらされることになる。

「少なくとも、米オペレーターの方が安く取引されるべきだ。
使用許諾の内容を調査し開示資料・SEC文書を読む限り、中国政府が全権を握っている。
中国政府が望むなら、米オペレーターを追い出すことができるんだ。」

これまで長い間、中国をショートしてきたチャノス氏が、米国との対比において中国をロングしている。
宗旨替えとも見えるポジションだが、これにはしたたかな読みがある。

カジノと言えば、トランプ・グループの一角Trump Entertainment Resortsが営業する業種でもある。
当然、大統領は業界とのつながりが強い。
名前が挙がったラスベガス・サンズは、大統領の大口献金者だ。

「そのうちの1つ(ラスベガス・サンズ)はトランプ大統領への最大の献金者なんだ。
そのことを中国が知らないはずはない。」


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