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第2次大戦後のブームを彷彿とさせる:ジェレミー・シーゲル
2020年5月10日

ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授が、来年以降の株価、金利、インフレについて予想している。


(株式市場への見方は)長期では変えていないが、短期ではもちろんかつてない大きさのショックだ。
経済統計は悲劇的だが、今見ていることからすれば驚くことではない。・・・
(経済ニュースは)「バックミラー」なんだ。

シーゲル教授がCNBCで、株式市場に強気のスタンスを続ける1つの理由を話した。

統計の数字に表されているのは過去に起こったことにすぎず、それはすでに私たちが目にし大騒ぎし株価を押し下げたものだ。
一度織り込んだものを統計の公表とともにもう一度織り込むのはあまり合理的とはいえない。

8日発表された4月の米雇用統計は大恐慌以来の落ち込みだった。
非農業部門雇用者数は前月比20.5百万人減少、失業率は前月比3倍超の14.7%だった。
しかし、これも市場は3月のうちに先回りして織り込んでいる。
統計数字になって出たから、精緻に織り込み直すのは合理的だが、ダブルカウントするのは不合理だ。

シーゲル教授は株式を「最も長寿な資産」と呼び、その価値の9割超が今後12か月以降の利益によって説明されると指摘する。
したがって、今後12か月が減益となっても(大きな損失等が出ない限り)インパクトは1割にも満たない。
教授は、この1年のうちに医療面での進展があり、経済活動が回復を始めれば、マイナスのインパクトはさほど大きくならないと示唆した。

それどころか、FRBが市場に供給した前例のない規模の流動性により、2021年の市場にブームが訪れると予想する。
教授は3月の安値が底だったと予想する一方、ワースト・シナリオも想定している。

「もしも10月に第2波がやってきて、治療法もワクチンもない場合だ。
スペイン風邪では第2波が第1波より過酷だった。
結果、再び完全なシャットダウンが実施される。・・・
それが起こるとは思わない。」

今後1.5-2年のうちの高値更新はありうるかと尋ねられると、シーゲル教授は「市場に流れ込む流動性を考えればありうる」と答えた。
株高とともに3-4%のインフレを予想しているという。
足元では物価は低下しているものの、経済が再開するにつれ、今は銀行預金に収まっている莫大な流動性が行き場を求めるはずと読んでいる。
行き場とは消費であり、投資である。
教授は今の状況を戦時中に似ているという。

この状況は少し第2次大戦を思い出させる。
配給制度、FRBの大規模な流動性供給が、誰も予想しなかった戦後ブームで爆発した。
・・・これは株式市場にもとても良いことだ。

シーゲル教授は、穏やかなインフレが株式市場には恩恵を、債券市場には悪影響をもたらすと説明している。

シーゲル教授は最近、40年に及ぶ債券の強気市場が終わったと度々発言している。
金利は3月が底だったとし、今後は上昇すると予想している。
ただし、長短金利で異なった程度となるようだ。

FRBは長期間、短期金利を低位に維持し、目標の2%より高い水準のインフレが許容されるだろう。
長期金利は2021-22年、1、2、3、4%と自由に上昇していく。


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