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アスワス・ダモダラン 私は信じない:アスワス・ダモダラン
2021年1月23日

アスワス・ダモダラン ニューヨーク大学教授が、米国株市場を割高と推計し、自身が防御の備えをしたことを明らかにした。


私の入力値に基づくとS&P 500は12%ほど割高ということになる。
バブルの領域でないのは間違いないが、それでも高い価格だ。

ダモダラン教授が自身のブログで、今年1月1日時点のS&P 500指数のフェア・バリューを計算している。
バリュエーション学長とも呼ばれるダモダラン教授は、株価評価に必要な重要指標を経常的に計算・公表している。
最たるものが債券スプレッドや株式リスク・プレミアムだ。
上記フェア・バリューは、そのアップデートにともない行ったもの。
教授は、その前提について読者自身が正しいと思う数値を用いるべきと書いている。

「結局は、市場に対する判断とは、今後数年の経済と金利に対する見方である。」

こう主張するダモダラン教授の主な前提は次のとおり:

  • 米10年債利回り: 今後5年でゆっくりと2%まで上昇する。
  • 株式リスク・プレミアム: 5%。
  • 利益予想: 2021-22年はアナリスト予想、その後はリスク・フリー金利と同率で拡大。

もちろん、メイン・シナリオとは多くのシナリオのうちの1つにすぎない。
ダモダラン教授は、感度分析も行っている。

唯一株式が大きな上昇余地を持つシナリオは、経済が力強く回復する中で金利が低位(1%近傍)に留まり続ける、ゴルディロックス市場のシナリオだけだ。
追加経済刺激策の可能性は経済の見込みを改善するかもしれないが、金利に影響せずそうなることなどありうるだろうか?
そのシナリオを採用するには、経済に何が起ころうがFRBが金利を低位に保つことができると信じる必要があるが、私は信じない。

ダモダラン教授は、市場株価が金融政策に大きく影響を受けている、あるいは受けると考えているようだ。
そして、FRBが長期金利を低位に維持し続けるのは難しいと言っている。
つまり、いずれかといえばやはり弱気寄りなのだ。

ダモダラン教授は、投資家の株価下落への備え方には2つのパターンがあるという。

  • 暗黙の反応: ポートフォリオに占める現金の構成比を増やす。
  • 明示的反応: 株価下落に対するヘッジとなるポジションをとる。

ダモダラン教授は今年、この両方を実行したのだという。
現金を増やし、ヘッジとして働くデリバティブを買ったのだ。
教授は、読者にアドバイスする。

これは保険であり、すべての保険と同様、ベスト・シナリオは使わないで済むことだ。
しかし、これは次に来ることへの私の心配を反映している。・・・
読者にとって最も健全な道は、金利・利益成長・許容できるリスクプレミアムについて自ら判断し、一貫性を保ってそれに従うことだ。

投資家の手法や判断に対する信念が問われている。
臨機応変に判断基準を変えるのではなく、一貫性のある判断を重ねていくべきとのアドバイスだろう。


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