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私にもまだわからないコト:レイ・ダリオ
2020年10月31日

ブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏が、米国がなすべきこと、投資家がなすべきことを、いつものように熱く語っている。


栄枯盛衰の最後の段階では、もしもハード・カレンシーなら、つまり兌換貨幣か金貨なら、常に紐付きが廃止され、借金の貨幣になる。
もしもソフトなら、常に貨幣増発になる。

ダリオ氏がYahoo Financeで、国家、とりわけ覇権国家の栄枯盛衰の最終段階で起こることを説明している。
第2文は、まさに今を描写したかのようだ。

「貨幣増発で資金調達しても、生活水準を上げることはできない。
再配分はできるし、小切手を配ることはでき、人々は出かけ、お金を使い、生活水準を守る助けにはなる。
しかし、やっているのは、現金の価値を貶めるということ。
さらに、債券とはお金を受け取る約束だから、債券の価値も低下する。」

貨幣増発は一見、打ち出の小槌のように感じられる。
税金を集めなくても、国家がお金を使えるからだ。
しかし、もちろんフリー・ランチは存在しない。
貨幣増発は潜在的に通貨の価値を低下させていき、これがいつか市民の負担になる。
普通の税金を収めるか、インフレ税を収めるかの違いにすぎない。

ダリオ氏は、弱くなっていく通貨建てで資産価格に起こる経験則を説明する。

これは、富を金融資産に移転させる。
私の1971年の教訓のように、いつも株高になる。
いつも金が上昇する。

こうした構図は程度の差こそあれ西側先進国に共通するものだ。
一方、覇権を目指す中国は、大きく程度が異なっているように見える。

ダリオ氏は、人民元が主要準備通貨になるまでには時間がかかるとしたものの、重要性は増していくと予想する。

「(世界の)IPOの45%程度が中国市場で行われるようになるだろう。・・・
人民元はどんどん国際化していき、資本フローはその方向に流れていくだろう。
歴史を通して似たような動きが繰り返されてきた。」

ダリオ氏の中国推しは不動だ。
一方、米国の立て直しについては、いくつか重要と考えることを挙げている。

  • 国内の分断を克服すること。
  • 個人、企業、組織、政府のあらゆるレベルで使うより稼いで、バランスシートを改善すること。
  • 教育と礼節を重んじること。

一方、個人投資家に対する投資のアドバイスも尋ねられている。

  • 現金がリスクのある資産であることを理解すること。
    「毎年2%の『税金』を持っていかれる。
    年2%の税金は長年では莫大な金額になる。」
  • 価値の保蔵手段を分散すること。
    「資産クラスを分散し、国を分散し、通貨を分散すること。」

ダリオ氏の代名詞にもなっているオール・ウェザー戦略は、資産クラス間の相関を予想し、分散することで、リスクを効率よく低減するものだ。
機械的な運用手法のように響くが、決してそうではない。
市場環境を吟味し、資産クラスを組み合わせ、配分している。

うまく分散すれば、期待リターンを下げることなくリスクを減じることができる。
分散のやり方はわかってるって?
私がわかっていないことを3つ挙げるなら、分散、分散、分散、だ。


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