ハワード・マークス
 

私なら利上げする:ハワード・マークス

Oaktree Capitalのハワード・マークス氏が、金融政策とソフトバンク・グループのVCファンドについてコメントした。
自身がFRB議長だったなら利上げを進めたとし、次の景気後退期の利下げ余地の小ささを心配している。


私が(FRB)議長の仕事を引き受けるなら、政策金利を今より引き上げるだろう。
金利が上がれば景気後退がやってくるかもしれないが、時々は必要だ。

マークス氏が日本経済新聞電子版で話している。

景気とは循環するものとの感覚を私たちは失いつつあるのかもしれない。
少し景気が悪化しそうになると、金融・財政政策の必要性がすぐさま語られるようになる。
公的債務問題を抱える国では財政にも制限があるから、金融政策がフルに稼働されるようになる。

マークス氏は景気後退を「時々は必要」と話している。
何と勇気ある発言だろう。

「FRBが常に雇用を第一に考えていると、政策は拡張的になりすぎてしまう。
やはりバランスが重要だ。」

失業率はまずゼロにはならない。
だから、雇用を増やそうとすると、どこでブレーキを踏むべきかわからない。
もう1つの使命、物価については、そもそも上昇しにくい経済構造ができあがっている。
いくら金融緩和しても問題となるほど物価が上昇しないから、ブレーキのタイミングを教えてくれない。


景気後退はもちろん愉快なことではない。
なくて済むならない方がいいようにも思える。
しかし、景気後退とは景気拡大で蓄積された様々な過剰の解消の時期でもある。
過剰が解消するから経済・市場の脆弱性も小さくできる。
そう考えれば「時々は必要」という意見にも一理あることになる。
もっともマークス氏はディストレス債を得意をするから、そういう商売上の期待もあるのかもしれない。
他の多くのバリュー投資家も、仕込み時期として景気後退を待っているのかもしれない。

マークス氏は、次の景気後退期、FRBにあまり利下げ余地がない点を心配している。

また、ソフトバンクグループの運用するハイテク向け投資ファンド「ビジョン・ファンド」についてもコメントしている。

「一種のバブルだ。
ビジョンファンドは非常に前のめりで、とても気前の良いマネーの出し手といえる。
歴史的にみて、ベンチャーキャピタルファンドの大きさはせいぜい数十億ドルだ。
ところがビジョンファンドは約1000億ドルのお金を動かし、いとも簡単に出資しているようにみえる。」

マークス氏は以前からビジョン・ファンドへの懸念を漏らしてきた。
大きすぎるVCが低リターンや投資の規律の劣化をもたらしかねないというものだった。
エスカレートしたものはいつか現実に戻ると経験則を語っていた。

マーケットはリスクに慎重で、規律が働く場であるべきだ。
彼らが巨大なマネーをハイテク業界で安全に賢く投資できるのか。そのうち分かるだろう。


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