スイス人著名投資家マーク・ファーバー氏が、長年の投資キャリアの中で犯した大きな誤りについて回想している。
それがなければ、もっとパフォーマンスは上がっていたはずと素直に述べている。
私は人生で数えきれないほど後悔したし、ミスを犯した。
人生は学習のプロセスなんだ。
年を取ったって、ミスを犯さずに済むわけじゃない。
ファーバー氏が印BOOMのインタビューで、投資哲学を尋ねられている。
弱気派の言葉をセンセーショナルに伝えるのとは異なり、ファーバー氏の良さを引き出したインタビューになっている。
ファーバー氏は投資家ならば多くのミスを犯すものだという。
同氏自身ももちろん例外ではない。
私が犯した根本的な誤りは『市場は上がる』とか『市場は下がる』とか考えたことだ。
私は自分の意見に何か意味があると考えていた。
しかし、実際には市場は私の意見とは全く無関係に変動する。
市場は1人の投資家の意見とは無関係に動く。
これには3つのメッセージが込められていよう。
- 市場の動きを完全に予見することは不可能。
- 優れた投資家が最善の予想をしても、市場がその通りになるとは限らない。
- 市場は正しい理屈にしたがって動くとは限らない。
ファーバー氏は投資家に語りかける。
「株価が下がるか上がるかは、あなたやわたしとは無関係だ。・・・
市場とは多くの異なる基準、多くの異なる要因により変動する。・・・
頑固になりすぎてはいけない。」
ファーバー氏は、この点を学習し、以前に比べて市場の動向をより重視するようになったのだという。
同氏は身近な例として、最近のテスラ株の急騰を挙げている。
多くの優れた投資家が同株をショートし、火傷を負っている。
ファンダメンタルズから見てテスラ株価が高いからといって、それがショートの理由にはならないという。
それ(割高)は、まず株が大きく上昇しないということを意味しない。
たくさんの投資家は洗練された投資家ではなく、何も分析せず、ただモメンタムで遊んでいる。
だから、倒産する前に株価は10倍になるかもしれない。