社債ショートはヘッジになる:デービッド・アインホーン

Greenlight Capitalのデービッド・アインホーン氏が、米株式や社債の市場でリスクが高まっていると警告した。
米社債ショートのポジションを加え、ヘッジの効果を期待しているという。


多くの点でPets.comは2000年インターネット・バブルの申し子として記憶されている。
・・・
2000年のバブルが大事件だったと考えるなら、2019年6月に上場したChewy(CHWY)に注意すべきだ。

アインホーン氏が第2四半期の投資家向け書簡でバブルの再来を匂わしている。
Pets.comは1998年11月に事業を開始しamazonから出資を受けるなどして業況を急拡大した。
マーケティングに巨額を投じ、採算を度外視した価格戦略を展開、事業開始から2年後の2000年11月に清算の憂き目にあっている。
いや、憂き目にあったのは振り回された投資家や取引先だったのだろう。

アインホーン氏は、Pets.comに似た企業が再び現れたという。
しかも、スケールを大きくしてだ。

「継続した期間Pets.comは2億ドル(現在の換算レートで約220億円)をちょっと超える投資家の資本を食い荒らした
CHWYは16億ドル(同1,700億円)を費消し、今も続けている。
アナリスト・コンセンサスでは、CHWYがほどほどの営業利益を計上できるのは2023年。
時価総額は140億ドルと、Pets.comのピークの30倍を超えている。」

過大評価を受けていそうな元ユニコーン企業はウーバーやリフトだけではない。
10年以上に及ぶ金融緩和政策が赤字企業の長期存続を許し、株価さえ押し上げた。
そして現在、株価が下がらないうちにと上場が急がれている。
こうした現象は持続可能なのか。

バリュー投資でロング/ショートを行うアインホーン氏は、持続可能でない方を匂わせている。

「短期的には市場は投票機だが長期的には計量器である、という言葉がある。
投票機でなく計量器になるような時を期待して待とう。」


こういいつつ、アインホーン氏は、自分のような投資家にとって投資環境が不利な状態にあると説明している。
通常の市場環境ならば、情報の織り込みによって市場株価はある幅に収束する傾向があるのだというが、現状そうはなっていないのだという。

「高い株価倍率はしばしば人気の銘柄に天井を与え、純粋に新たなプラスのニュースのみが株価を上昇させる。
逆に、低い倍率は、不人気な銘柄に底を与え、純粋に悪いニュースのみが株価を下落させるものだ。」

アインホーン氏は、市場が新たな材料を必要としない環境に陥っているという。
天井も底も存在しないように見えるというのだ。

人気の銘柄は例外なく既存トレンド継続に基づいて急上昇を続け、不人気の銘柄は株価が低すぎるということがない。

こうした現象は、ロング/ショートの裁定取引を狙うヘッジファンドにとっては難敵だ。
裁定が閉じていくことを見込んでポジションを組んでも、裁定が開いてしまったり、閉じるのに長い時間がかかったりすることになる。

とはいえ、グリーンライトは昨年の深刻な不振を脱したようだ。
第2四半期のリターンは5.8%、年初来では17.4%と快調なパフォーマンスを続けている。

アインホーン氏は、個別銘柄ではなくマクロのポジションを新たに追加したことを明かしている。
投資適格とハイイールドの米社債への弱気ポジションだ。

過去数年の間、社債は劇的に拡大したが、コベナントや他の債券保有者の保全はかなり弱まった。
格付会社は自己満足に陥り、債務/EBITDAや債務/資本比率が悪化しても格付けを下げないようになっている。
一方、米経済回復は10年間に及び、経済が鈍化する兆しが見える。
ついに、信用スプレッドは歴史的に見てタイトな状況に近づき、企業向けクレジットをショートするコストは極めて低い。
・・・企業向けクレジットをショートすることは・・・株式をロングしているポートフォリオにとってヘッジの役割をすると信じている。


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