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社会主義者が政権を獲ったら・・・:デニス・ガートマン
2020年10月21日

コモディティ王デニス・ガートマン氏が、金とポートフォリオについてのスタンスを語っている。


みんな少なくとも(ポートフォリオの)5%、おそらく10%を(貴金属で)持つべきだと思う。
大手ヘッジ・ファンドの運用者が25%持つべきと言ったのは少し行き過ぎだと思う。
私は現時点で10、15、20%を越えて持つつもりはない。

ガートマン氏がAmerican Precious Metalsのインタビューで、貴金属や金に対して引き続き強気スタンスであると話した。
銀についても意見を求められると、金:銀比率で見て銀が割安なのは明らかとしながら、銀の高ボラティリティが自身の70歳という年齢には合わないと話した。
金の方が銀よりも「はるかに入りやすく、合理的で、低ボラティリティ」だという。

ガートマン氏は強気の理由を3つ挙げている。

  • 地政学的な混乱
  • 国内政治の混乱
  • ほとんどの先進国の拡張的金融政策

中でも各国の金融緩和が最も重要な要因だという。
いつかは米国も諸外国もインフレになるとし、それが金価格にプラスに働くという。
特に米国については、FRBが2%物価目標を《平均物価目標》に変更したインパクトが大きいという。
これは、インフレを2%にするのでなく、ある期間のインフレの平均を2%にするというもの。
過去2%を下回っている分、2%をオーバーシュートしなければいけなくなる。

「パウエル議長が言うように平均で2%のインフレを実現したいなら今後2-3年3-4%のインフレが必要になる。
これは金価格にプラスだ。」

一方、ガートマン氏は、一部で根強い人気のある終末予想のようなものは根拠にしない。
米国が過剰債務で破綻するといったシナリオだ。
金や暗号資産のファンの間で語られることが多い。

「1970年代の初め、みんな米国が過剰債務で持続不可能と言った。
1980年代にも、みんな米国が過剰債務で持続不可能と言った。
1990年代にも、みんな米国が過剰債務で持続不可能と言った。
世紀が変わる時にも、みんな米国が過剰債務で持続不可能と言った。
2010年にも、みんな米国が過剰債務で持続不可能と言った。
2020年にも、みんな米国が過剰債務で持続不可能と言う。
50年ほど経ってもゲームは変わっておらず、金利は過去25-30年にわたって上がるのでなく下がっている。」

齢70歳にしてガートマン氏の活舌は滑らかだ。
トレーダー生活45年余りの経験から、債務問題への考え方について整理ができている。
いつかその時が来ると述べ、その場合は悲劇が見舞うとしながら、あまり心配はしていないという。
いや、心配しても仕方ないという意味だろう。

その時は明日かもしれないし、50年後、10年後かもしれない。
その時が来れば、私たちはそれを知ることになる。
それまでは私は心配しない。

金の保有の仕方について尋ねられると、ガートマン氏はいくつか方法を紹介している。

  • 現物の金: 保管の問題がある。
  • ETFや大型金鉱株: 地政学・国内政治のリスク・ヘッジ向け。
    • GLD(SPDR Gold Shares)
    • CEF(Sprott Physical Gold and Silver Trust)

ポートフォリオ戦略について尋ねられると、ガートマン氏は自身の投資内容について明かしている。

  • 多くの債券ファンド:毎月の分配を得るため。
  • 金ETF: 15%ほど。
  • 金地金とコイン; いくらか。
  • 配当のあるテクノロジー株: いくらか。
  • 石油株: いくらか。

最近再注目を浴びている「パーマネント・ポートフォリオ」(金・株・米国債・現金を25%ずつの構成)との違いを説明した。

「だから25:25:25:25ではない。
おそらく金に少し少なく、債券市場に少し多く、株式に少し少ないだろう。
でも25:25:25:25から遠く離れてはいない。」

ガートマン氏は来月の大統領選挙でトランプ大統領に投票すると明言した。
同氏は旧来の共和党支持者だ。
これまでしばしばトランプ政権の政策に対し批判もしてきた。
それでも経済を考えた時、トランプ大統領への投票という選択になるようだ。

キャスターは、社会主義者が勝ったら何が起こるのかと質問している。
「社会主義者」とはもちろんバイデン陣営を指している。
ガートマン氏もキャスターに倣い民主党を「社会主義者」と呼んで、意見を披露している。
同氏はまずクイズから始めた。

この2年間で最も強い株式市場がどこか知ってる?

この手の質問も最近よく聞かれるようになった。

「みんな驚くと思うが、ベネズエラとジンバブエなんだ。・・・
理由は、これらの国の通貨の価値がほぼゼロになったからだ。・・・
アメリカ人がベネズエラ株を買ったら通貨安で99.9%減価してしまうが、株式市場は1兆%上昇したんだ。」

株式は最終的には大幅な通貨安のヘッジにはならないのだろう。
しかし、それでも母国通貨にこだわる限り、現金や債券よりはましということになる。

ガートマン氏は、社会主義者が政権を握れば、財政・金融政策への責任を放棄し、結果的に株価が上昇すると話す。
それが実際に起こっていることだとし、米国に当てはめたトレードを説明する。

社会主義者が勝てば、ドルの価値が低下し、金価格が上昇し、おそらく株価も上昇する。
だから、やるべきは金と株式の保有だ。
これらは伝統的には逆に動くものだが・・・社会主義者が勝てば、株と金が両方上昇すると予想する。


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