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Blackstone 短期インフレ、長期ディスインフレ:ブラックストーン
2021年2月7日

ブラックストーンのジョー・ザイドル氏が、米経済について強気の見方を継続しつつ、インフレと金利上昇に対する注意も必要とアドバイスしている。


まもなく幅広い米経済回復が自己持続的なモメンタムを持ち、トレンドを超える成長を遂げる期間をもたらし、イールドカーブをスティープにすると考えている。・・・
現在の市場予想に対し、実績が上回ることになると予想している。
冬が終わり春がくれば、入院率は下がり、人の動きが増え、個人所得が再び最高を達成するだろう。

ザイドル氏が投資家向け書簡で、従前どおり強気の見方を続けている。
同氏・同社の考えは、コロナ克服とともに経済が噴き上がるとする市場コンセンサスと同方向であり、さらに楽観的だ。
これまで経済が停止する中、政府の救済策により所得はトレンド線より上振れていた。
一方、パンデミックにより消費は低迷している。
ザイドル氏は、今後このギャップが縮小し「消費需要の爆発が経済に解き放たれる」と予想している。
セクターでは、抑制されていた分、サービス業が「ショーのスター」になるという。

ザイドル氏は物価に関連して、短期で供給制約が効いてくると予想する。

サプライチェーンの弱体化により、経済は今後数か月の需要増に対処するのが困難になるかもしれず、そうなれば物価圧力となりうる。・・・
長期的には、経済成長とインフレがより長くより低くなる道に戻るだろう。

米国は確実にトンネルの出口に近づいているようだ、
これまでのエコノミストの発言では

  • 短期はデフレとインフレの両圧力の共存
  • 長期は?

といった話が多かった。
今では、短期のデフレ圧力の終わりが感じられつつあり、残るインフレ圧力が強く意識されているのかもしれない。
グローバルなサプライチェーンはいまだ分断されており、コロナ・ショックでは多くの供給能力が失われた。
これが短期的に供給制約をもたらすという話には相応の説得力がある。

ザイドル氏は、一時0.5%まで急低下していた期待長期インフレ率が2.13%まで戻っている点を指摘する。

「2018年10月以来の高さで、2015年以来で(下から)96%の分位だ。
これは、フラットなイールドカーブに見られる市場の短期の悲観と来る回復によるリフレ期待の間の緊張を反映している。
緩和的なFRBの政策に助けられ経済が再開するにつれ、10年債がコロナ前の水準に戻りイールドカーブがスティープ化する素地ができる。」

FRBがペッグしている短期金利は当面の間ゼロ近傍に留め置かれるのだろう。
一方、長期側はある程度の幅なら(イールドカーブ・コントロールの導入もなく)上昇を許容されるだろう。
これが企業経営に及ぼすインプリケーションは何か。

そのような環境では、価格決定力のある企業は短期リフレの恩恵を受け、債務水準の高い『ゾンビ』企業は債務のロール・オーバーで試練を迎える可能性がある。

取り換え可能なコモディティ化した製品・サービスしかもたない企業は、インフレに対処するのに必要な値上げを行うのも難しくなるかもしれない。
一方、差別化され価格決定力のある企業は、インフレを相殺する値上げが可能だろう。
また、長期側の金利上昇が過剰債務の企業の損益を蝕むのは当然の成り行きだ。

ザイドル氏は依然として強気予想。
近い将来の金利上昇について壊滅的な悪影響を予想しているふうには見えない。
しかし、確実に銘柄選別の重要性は増しているようだ。

投資家は長期金利が1%から2%に倍増することのインプリケーションを考えるべきだ。
保有するフィクストインカムのデュレーションを短期化し、変動金利の資産・増配の能力のある資産に集中することが、ポートフォリオにプラスに働く可能性がある。


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