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短期は良いが長期は悪い運命に:ジェフリー・ガンドラック
2020年2月6日

債券王ことダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏が、借金を喜ぶ倒錯した社会を嘆いている。


米社会が成功や良い時代と見る基準がとても奇妙だ。

ガンドラック氏がある対談で、借金漬けに慣れきった米社会の感覚自体に疑問を投げかけた。
それは、金融メディアが経済データを伝える際に見受けられるという。
メディアは販売等より借入のデータに強く反応し、狂喜するのだという。

「例えば、小売り売上が0.4%上昇した時はそう言うだけだが、消費者借入が0.7%上昇すると(ガッツポーズして)いいニュースと伝える。
消費者の心理が良いためと言うんだ。
これは世界の見方として倒錯している。」

ガンドラック氏は、借金が増えることを喜ぶ理由が理解できないという。
米経済の7割を消費が占めるのは事実であり、消費が増えることはもちろん悪いことではない。
しかし、ガンドラック氏は、そこには前提があるという。

「消費が70%の経済がすばらしいのは、生産もしている場合だ。
米国は生産せず、消費している。
多くの財を消費している。」

ガンドラック氏は、貿易赤字に大きな縮小の見通しがない点を問題視する。
トランプ大統領は関税で貿易赤字を減らすと約束したが、その見通しはたたない。
(昨日の米商務省発表では2019年の貿易赤字が6年ぶりに縮小したことが明らかになったが、これは輸入減によるところが大きい。
12月の貿易赤字は再び増勢を強めている。
今後、趨勢的に貿易赤字が縮小するとは見込みがたい。)

慢性的な貿易赤字は何を意味するのか。
これも言い古されてきた構図だ。

貿易赤字は拡大してきた。
米国は基本的に借金をしている。
ベンダー・ファイナンスだ。

米国債を発行し、それを輸出国に売り、その代わり金で輸出国から財を買っている。
ガンドラック氏は、米社会がこのベンダー・ファイナンスの上で機能するよう慣れ切っていると嘆く。
そして、これが短期的には良い結果を得ることがあっても、長期的には悪い結果をもたらすと予想する。

「その背後には今日の世界経済、世界の無数の物事が存在している。
それらは短期では機能するが、長期ではとても悪い結末、運命に向かっている。
中国からお金を借りてガラクタを買うことは、四半期、消費支出、経済、そしてインフレを低く抑える上ではすばらしいことだ。」

ガンドラック氏は、いわば将来の幸福を先食いするような仕組みが至るところで好まれる傾向にあると言いたいようだ。
もう1つの例が金融政策だ。

米国は借金をしており、FRBを通して自分の借金を買い入れている。
これも、短期的な対応にはなるが、長期では未知の結果、おそらくとても好ましからぬことで終わるものだ。
現状維持のようなことのために設計された欧州のマイナス金利と同様のことだ。


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