アリアンツ首席経済アドバイザー モハメド・エラリアン氏が、足元の力強い相場に対するスタンスについてコメントしている。
私たちは流動性の大波に乗っているところだ。
これは実にうまく機能した。
この短期的な極めて強いモメンタムに逆らう理由はない。
エラリアン氏がCNBCで、短期的と強く限定した上で、足元の強い市場の恩恵を受けるチャンスを維持するよう話している。
わかりやすくいえば、リスク資産への投資をすべてやめてしまうべきではないということだ。
今は投資家は喜んで短期に集中すればよく、短期的には事実上すべての資産クラスで報われることになろう。
まさに金融市場のメルトアップを感じさせるような表現だ。
こうした極めて強気な言葉に反して、エラリアン氏は、中期的には多くの不確実性が存在すると指摘している。
- 世界経済の動向
- グローバリゼーションの停止
- 各国中央銀行の手詰まり
- 投資家への過度な流動性の約束
短期では絶好のチャンス、しかし、中期では不確実性が少なくない。
今この上昇の恩恵を受けにいくにしても、将来いつかは方向転換を迫られるだろう。
こうした状況の中で投資家は二者択一を迫られていると、エラリアン氏は言う。
- 中期的に見て、質を上げてよりディフェンシブにするか
- 短期的に見て、質を下げてより大きなリターンを狙うか
エラリアン氏の推奨は前者であり、自身もそれを実践しているという。
アップサイドの恩恵を得るチャンスを残しつつ、より守備を固めるべきだ。
でも、ほとんどの人が後者を選んでいるように見える。
エラリアン氏が守備固めを奨める理由は、方向転換の時期が読めない点にあるようだ。
足元の相場が流動性相場であるとするなら、投資家が方向転換すべき最良のタイミングは、中央銀行が方向転換する直前かもしれない。
「2018年第4四半期の後、各国中央銀行が(金融緩和を)後退させるのが難しくなった。
現状を続けざるをえない。
しかし、いつか、ファンダメンタルズが効いてきて、流動性が成長に逆効果になり・・・マイナス金利を見ればわかる・・・、投資家がリスク選好しなくなる。
それがいつか予想が難しいだけだ。」
最近注目を浴びている金について尋ねられると、限定的に金保有の意義を認めるコメントをした。
「ヘッジ(の手段)として金を見ることにはメリットがある。
ヘッジの手段はほとんど残されていない。・・・
だから、金をポートフォリオに入れる意味はあるが、買いすぎはよくない。」