海外経済 投資

狂騒の20年代に向かっている?:デービッド・ローゼンバーグ

弱気派エコノミストのデービッド・ローゼンバーグ氏が、市場の一貫性のない楽観ロジックを指摘し、今年後半にもその誤りが露呈すると予想している。


株式市場で興味深いのは、11月3日の次の週(『ファイザー・マンデー』と呼ばれるようになった月曜日を除外しても)『停滞は良いこと』が魔法の言葉となってS&P 500が6%も急騰したことだ。
そしてその後、1月5日のジョージア決選投票の後にも市場は3%近く急騰し、魔法の言葉は『大規模刺激策が実現!』になった。

ローゼンバーグ氏がFinancial Postへの寄稿で、どのようなニュースにも総じてポジティブな反応を示す市場に警戒している。

実際のところ、昨年3月下旬以降の市場は、何があっても上げることしかしらない相場に見えた。
大統領選挙が本格化する前は、トランプ大統領敗北なら市場は打撃を受けるとのナラティブが存在したが、時間が経ち、バイデン氏勝利の確率が高まるにつれ、バイデン氏でも市場は上昇するというナラティブが付け加わった。
バイデン氏勝利でもねじれによって政治が停滞するとのネガティブな見方も残っていたが、増税や規制強化などが進まないことはむしろプラスだとの楽観論が優勢となった。
ところが、ジョージア州の上院選決選投票でかろうじてブルーウェイブが実現すると、そのマイナス面への関心は薄れ、市場はプラス面である財政出動を材料にまた上げたのだ。

ローゼンバーグ氏は、こうした一貫性のない根拠に基づく一貫した楽観が至る所に存在するという。
金利が上昇すれば、成長率が上昇しているから大丈夫と言い、金利が低下すると、債券に対する株式の優位がますます高まった、といった具合だ。
同氏は、この楽観について、大きく2つのナラティブの存在を指摘している。

「(a) 刺激策が再び講じられる。
(b) 6月にワクチン接種が済めば荒れ狂う支出が起こり、政府が経済のオーバーシュートを狙っているために、それが長く続く。」

ローゼンバーグ氏は、こうした想定が楽観的過ぎる理由を丁寧に説明している。
僅差の上院は政策実現のボトルネックとなるだろうし、ペントアップ・デマンドの規模は限定的かもしれないし、消費性向に趨勢的な変化があるかもしれない。
ただ、市場は今そんなリスクには無頓着だ。
ローゼンバーグ氏は、2021年後半になれば現実が見えてくるとし、現状の市場の状況を説明する。

市場が理解していなくても、生活はノーマルには戻っていない。
狂騒の1920年代に向かっているとのコンセンサスが生まれつつある。

ローゼンバーグ氏の議論はとても筋の通ったものなのだが、一方で、何が現実に起こるのかといえば市場コンセンサスの方に分があるようにも感じられる。
理屈は重要だが、それでは儲からない時代がまだ続いているのだろう。


-海外経済, 投資
-,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 その他利用規約をご覧ください。