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狂騒の20年代か、戦後の消費ブームか:ロバート・シラー
2021年5月28日

ロバート・シラー教授が、米住宅市場について先の住宅バブルより大きなバブルに発展する可能性を指摘している。


みんな少し心配すべきだ。
2003年の再来のようだ。

シラー教授がYahoo Financeで住宅市場の状況を尋ねられて、2003年に似ていると話した。
2003年といえば、米市場でのドットコム・バブルの崩壊が下げ止まった頃だ。
当時としては大胆だった金融緩和によって市場は支えられ、資金は株式でなく住宅へ向かうこととなった。
この上昇が住宅バブルに発展し、2007-08年のサブプライム/リーマン危機につながった。

もちろん低金利が一因だが、・・・私は、人々がナラティブによって駆り立てられていると考えている。
それが市場心理を変えるのだ。・・・
私はある種の根拠なき熱狂があると思う。
みんな楽しんでおり、価格上昇が続く限り楽しむだろう。

シラー教授は、現状にバブルの要素があると指摘する。
それは人々の「興奮」だという。
売値よりはるかに高い買値で住宅を買い集める人の話などが興奮を呼び、ナラティブやストーリーを形成しているという。
にもかかわらず、教授が引いた年は2003年だ。
サブプライム危機まで4年もある。
これはなぜなのか。

株式市場には少しだけモメンタムが存在する。
頻繁に話されるが、モメンタムの大きさとしては住宅市場より弱い。・・・
住宅価格はあと1-2年上昇し、供給側が追い付いてくる。
1晩で落ちることはないが、痛みをもたらすだけ下げるだろう。

ここでの「モメンタム」は原義通り慣性とか弾みと考えるとよい。
現在上げている住宅価格には弾みがついており、これが反転するまでは長い時間がかかるという意味だ。
また、下げ始めてもスピードを上げるまでさらに時間がかかる。
経験上、住宅市場は「一晩で崩壊するような市場ではない」のだ。

シラー教授はまた、今後生じるかもしれない住宅バブルが前回のものとは異なる性質のものになると話す。
むしろコロナ禍はスペイン風邪と似た影響を及ぼす可能性があるという。

「1918年のスペイン風邪の頃に少し似ている。
第2波が襲い、1919年まで終わらなかった。
しかし、そこから狂騒の20年代が来た。」

パンデミックの終わりがある種の戦勝であることから、シラー教授は、戦勝の時期として第2次大戦後も引いている。
戦後の熱気のようなものが現在の米国に感じられつつあるという。

大量の消費、歓喜、戦争は終わった、勝利を祝う休暇。
コロナ禍を抜けつつある今、再びそういったムードになっている。
だから2003年と同じではないし、もっと強くなるかもしれない。

シラー教授は、住宅バブルが再来するかどうかはわからないと話す。
しかし、振幅が大きくなる可能性から、心配だとも述べている。

貸し手は担保や監視を強めるべきだ。・・・
みんな住宅のリスクをヘッジした方がいい。


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