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物価連動債を組み入れろ:ブラックロック

資産運用の世界最大手ブラックロックが、通常の米国債に続き、物価連動債のポートフォリオへの組み込みを奨めている。
同社は以前、リスクに備えてポートフォリオに短・中期の米国債を組み込むよう推奨していた。


私たちは、経済成長へのショックによる株式の売られ、また過小評価されているインフレ・リスクの両方のバラストとして、物価連動債が重要な役割を果たすと考えている。

ブラックロックが7月29日付コメンタリーで、物価連動債の組み込みを推奨する理由を2つ挙げている。
1つは他の資産クラスの下落リスクを一部カバーできるかもしれない点だ。

「物価連動債は通常の債券と同様、株式市場が売られた際に概して上昇する。」

物価連動債(インフレ連動債、TIPS)とは物価上昇率に応じて元本(それにともないクーポン金額)が調整される債券のこと。
インフレになれば元本(それにともないクーポン金額)がその分大きくなるため、通常の債券投資にインフレ・ヘッジを施した投資商品となる。
よほど大きなインフレ/デフレが起こらない限り、調整の率は緩やかだ。
通常の株価下落ならば、ほぼ元本保証に近いこともあり、リスク・オフの受け皿になる。
つまり、株が下げると退避場所として買われることがある。


ブラックロックが挙げるもう1つの理由は、上記のとおりインフレ・ヘッジだ。

保護貿易主義的な政策の結果として長期的に世界のサプライ・チェーンが分断されうることは、鈍い経済成長と高いインフレという歓迎されざる組み合わせ、株式・通常の債券両方の困難な環境につながりうる。

株がダメだが、債券もインフレでダメな時、物価連動債が独特の仕事をしうるわけだ。
読者がスタグフレーションの到来を恐れるなら、物価連動債は1つの受け皿だろう。

ブラックロックは、通常の債券だけでなく物価連動債を組み合わせることで、よりよい「バラスト」になると指摘している。
また、インフレ・リスクが軽視されている今、ヘッジ・コストが安くすむ可能性に言及している。

戦略的ポートフォリオにおける通常の債券・物価連動債の組み合わせは、様々な逆境に対する耐性を生み出す。
加えて、低いインフレ期待が物価連動債を安くしており、魅力が増している。

なお、物価連動債と少し似た金融商品に変動金利債があるが、これを混同するのはあまりよくない。
ジェフリー・ガンドラック氏は以前、物価連動国債が金利上昇の備えにはならないと注意を喚起していた。


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