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流動性問題か、経済・社会の停滞か:モハメド・エラリアン
2020年6月15日

アリアンツ首席経済アドバイザー モハメド・エラリアン氏が、近年の米経済の成長ドライバーに言及し、コロナ・ショックを契機に厳しい選択を迫られる時期が近付いていると指摘した。


「金融は実体経済より早く動き、実体経済を予想する。
しかし、どの時点かで(予想の)妥当性を試されることになる。」

エラリアン氏がCNBCで、経済回復の期待で上昇する株式市場について警告した。
仮に経済が期待通りに回復しなければ、それに応じた調整を迫られることになるためだ。

しかし、エラリアン氏の心配は、市場の織り込みが妥当か否かだけではない。
期待される回復の原動力にも及ぶ。

過去10年を見ると(市場の上昇を)正当化したのは多分にレバレッジ、債務だった。
しかし、それには最終的に持続不可能になる時点が訪れるとの懸念があった。
コロナウィルスのもたらす経済状況によって、その懸念が今特に高まっている。

エラリアン氏は、この懸念の成否によって今後の経済の状況が変わってくると指摘する。
ただし、成否どちらでも明るい運命とはいえない。

  • 持続不可能な場合: 企業破綻から流動性問題が発生する。
  • 持続可能な場合: 債務が積み上がり、実体経済・社会に害が及ぶ。

エラリアン氏の主たる心配事は、債務の金額ではなく経済成長への悪影響だ。
債務が積み上がった結果、財政赤字を支えるために金融緩和が行われる構図は、価格発見力を通した資本の最適配分など市場の機能を損ない、経済成長や生産性に悪影響を及ぼすと指摘する。
市場が歪められた例としてハーツや航空会社の株価に言及。
すでにチャプター・イレブンを申し立てていたレンタカー大手ハーツの株価が一時底値から10倍近くに跳ね上がったことを紹介した。
エラリアン氏はここに「ファンダメンタルズと金融の分断」を見ることができると話し、すでに市場の歪みが株式市場に及んでいると示唆した。

これはFRBの話ではなく、市場の押し目買いの条件反射・FOMO(乗り遅れる恐怖感)の話でもない。
これは、現在コロナウィルスが巨大なアップサイドと資本の棄損というダウンサイドを与えている、特別の瞬間の話なんだ。


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