ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏が、トランプ勝利を予想する一方、バイデン勝利の場合に起こることも予想している。
世論調査ではトランプ劣勢とされているが、4年前もそう言われていた。
今回、4年前より自信はかなり少ないが、4年前トランプのオッズがまだひどく低かった時、私は彼の勝利を予想した。
今回ははるかに不確かだが、私はトランプ有利だと考えている。
ガンドラック氏のあるウェブキャストでの発言をFinancial Advisorが伝えている。
同氏は、世論調査には往々にして印象を操作する意図があること、トランプ支持者には支持を隠す傾向があること、バイデンは熱意を疑われていることなどを理由に挙げた。
ソースがやや断片的な印象のある記事であるため、以下、ガンドラック氏発言の要旨を列挙する。
- 上院は共和党が多数を維持すると予想。
- トランプの任期中、国際紛争は起こっていない。
- トランプは(善悪を別として)明快。
老獪なバイデンの政策には曖昧さがある。
ハリス氏は「上院で最も左派より」。
バイデン勝利の場合、ハリス氏が大統領に昇格するシナリオも考慮すべき。
バイデン勝利の予想は市場の不確実性を高める。 - バイデン勝利で、法人税が増税される場合
- 米国株バリュエーションは急騰する。
- 税引後利益は急減する。
- 株価は上昇しない。
- 金利、ボラティリティ、インフレは上昇する。
全くの社会主義的政策がとんでもない金額の財政赤字による支出とともに起こりうる可能性を勘案しなければいけない。
これが、株式・債券市場に大きな問題をもたらすだろう。
ガンドラック氏は、米国という純粋資本主義の社会が社会主義化していくことを警戒している。
もっともこうした心配は今始まったことではない。
同氏は以前から、近い将来、米社会の所有に対する考え方が変化する、二大政党制が終わるなどの可能性に言及してきた。
はっきりと実現したわけではないが、近年似た意味合いの変化が起こってきたことは事実だ。
ガンドラック氏からすれば、今回の選挙は通過点にすぎない。
驚くのはまだ早いといったところのようだ。
私が2016年にトランプ勝利を予想した時、私は『2016年が奇妙と思うなら、2020年を待ちなさい』と言った。
2020年が奇妙と思うなら、2024年まで待つことだ。
まだ何にも見ていないんだから。
米国株市場のこれまでの奇跡の一因は、その純粋資本主義が優れた起業家・事業家を引きつけたからだろう。
しかし、その米国が変化しつつあるようにも見える。
変わりようによっては、米国株の奇跡にも変調が起こるかもしれない。
奇しくも、それはガンドラック氏の米国株への弱気スタンスと同方向にある。
奇跡に集まった投資家たちは大いに悩む時を迎えているのではないか。