河野龍太郎氏:バブル崩壊は2019年

BNPパリバ 河野龍太郎氏のコラム読解の2回目。
前回テーマはイノベーションと総需要だったが、今回は各国の政策対応を占おう。


再びアグレッシブな金融緩和が取られ、バブルを醸成することになるのか。
・・・
その可能性は決して低いとは思われない。

河野氏は現在の世界同時発生的な経済回復、とりわけ完全雇用の達成について、3つの経路を挙げている。

  • バブル醸成: 米国
    資産効果によって総需要をかさ上げし雇用を改善。
    賃金・物価が上昇しないため金融緩和が続き、資産価格はさらに上昇。
    この連鎖で資産価格がバブルの域に近づく。
  • 財政出動: 日本
    財政政策によって総需要をかさ上げし雇用を改善。
  • 経常黒字: ドイツ、日本
    外需の取り込みで総需要をかさ上げし雇用を改善。

こう説明した上で、このいずれもが持続可能ではないと解説する。


  • バブル醸成: 資産価格上昇は永遠には続かず、資産効果が終われば支出は冷え込む。
    「バブルはいずれ崩壊し、貯蓄率の急激な上昇が始まることで、実体経済の調整が始まる。
    筆者の念頭にあるのは今のところ2019年だ。」
  • 財政出動: 借りた借金はいつか返さなけらばならない。
    「増税・歳出削減を選択しないのならば、経済の冷徹な法則が働き、いずれ高率のインフレ・タックスが訪れる。」
    日銀が10年までの金利を事実上ゼロ以下に抑え込んでいるため財政規律は緩み、財政再建は蔑ろにされている。
    「財政危機の臨界点は直ぐには訪れないにしても、永久に訪れないわけではない。」
  • 経常黒字: これを維持する要件の一つが自国通貨安。
    「バブル醸成やプライマリー収支赤字による完全雇用の達成に比べれば、健全性の問題は小さいと言える。
    だが当然、海外経済が不調になれば、高水準の経常黒字を維持し総需要をかさ上げすることは難しくなる。」
    そもそも、人為的に通貨安につながることをやれば、いつかは国際的な非難を浴びよう。

世界経済が拡大している現在、こうした点への危機感は薄らいでいるようだ。
しかし、もしもローレンス・サマーズ氏が主張した長期停滞論が当たっているならば、懸念はなくなったわけではなく、忘れられているだけと言うべきだろう。
循環の山が奮わない趨勢を押し隠しているにすぎない。
河野氏の視点はすでに次の景気後退局面に向けられている。

「再び世界経済の下降局面が訪れれば、各国はどのような政策対応をとるのか。
今度は所得分配の強化が検討されるのだろうか。
いや、経済格差の大幅な拡大で社会の安定性が大きく損なわれるといった事態にならなければ、それは容易には選択されないだろう。」

世界経済が後退期に入れば、経常黒字に頼むわけにはいかなくなる。
そもそもパイが小さくなっている中で外需を無理に取り込もうとすれば、国際問題が尖鋭化してしまう。
すでにフィスカル・スペースの乏しい先進各国が大胆な財政拡大を選択できるか。
これも疑問だ。
そうなれば、残る答は一つしかない。

結論: 株は買い (???)


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