デービッド・ローゼンバーグ氏が、世界で問題化しつつある水資源枯渇にかかわる投資機会を棚卸している。
「気候変動の結果起こった異常気象により、すでに枯渇しつつあった水供給が悪化している。
実際、過剰な降雨、干ばつ、自然災害が世界を破壊する頻度が以前より大きくなり・・・需給の両面で苦しむ緊急事態にある。」
ローゼンバーグ氏がFinancial Postで、水資源の危機への注目を促している。
需要面では、2050年までに20-30%の増大(都市部は50-70%)が予想されるとの世界銀行の推計を紹介している。
こんな大量の供給が、特に都市部について容易に増やせるわけがない。
水源とともに浄水インフラの問題は、長い時間をかけないと解決しないからだ。
結果、当然のことに《水争い》が起こる。
ローゼンバーグ氏は、中国とインド、インドとパキスタンなどですでに争いになっているとし、米国でも過酷な干ばつが続いていると紹介している。
米国の干ばつは国際問題ではないが、州の間、需要家の間では争いとなっている。
《20世紀が石油を巡る戦争の世紀なら、21世紀は水を巡る戦争の世紀になる》との主張が聞かれるようになって久しい。
幸か不幸か、まだ戦争のタネとしては石油の方が大きそうだ。
しかし、世界銀行の推計が正しいなら、今世紀半ばには水資源に対する人々の見方は大きく変わるだろう。
ローゼンバーグ氏は、水のテーマに沿った投資のユニバースを説明している。
(個別銘柄に触れているが、推奨ではない。)
- 新たな技術
- 水源(供給不足): 海水、地下水
- 節水(需要過剰): 農業・家庭
- 指数・ETF: S&P 500 Water Utilities、Invesco Water Resources ETF、First Trust Water ETF
- 国・地域: カナダ等、地政学的リスクが低く、資源に恵まれた国。
- 水関連の公共サービス、インフラ
これらは推奨しているというより、ユニバースを示したと捉えるべきだろう。
重要なのは常に、ユニバースの中での銘柄選択だ。
とはいえ、ローゼンバーグ氏は着眼としてはそこそこ自信のある書きぶりだ。
結果、この重要な資源の世界市場における変化をポートフォリオに反映させるよう調整する投資家は、報われる可能性が高い・・・