投資

気候変動戦略のススメ:ジェレミー・グランサム
2019年4月25日

大手投資会社GMOの共同創業者ジェレミー・グランサム氏が、気候変動問題解決に寄与し恩恵を受ける対象への投資を奨めている。
こうした投資にはリターン以外にも重要なメリットがあるのだという。


良好なリターンだけでなく、気候変動戦略(ここではこの(気候変動関連の)セクターに投資する戦略)は他の大きな利点も与えてくれるかもしれない。

グランサム氏らがAdvisor Perspectivesで書いている。
同氏が気候変動をテーマに投資活動を続けてきたことは有名だ。
最近ではバリュー投資家としてより環境活動家としての露出の方が多いようにさえ感じる。

グランサム氏の環境分野での投資が良心に基づくものであるのは間違いない。
しかし、それは同時に商売でもある。
だから、この分野の投資はリターン以外にもいい点がいくつもありますよと言っているのだ。
つまりは、環境ファンドに投資しなさいというわけだ。

本当にリターンが良好なのかは別にして、グランサム氏は他にどんな利点をアピールしているのか。
それは、気候変動戦略の投資対象の特異性に根差したものだ。

「気候変動戦略のリターンのドライバーは幅広い株式市場のそれとはかなり異なったものになると予想している。
幅広い経済的利益やGDP成長は気候変動戦略のドライバーにはならない。
クリーン・エネルギーへの移行と脱炭素化の努力がドライバーになる。
したがって、気候変動戦略が良好なパフォーマンスを上げるのは市場が弱い時で、逆もまたそうなると予想する。」

ここの予想は眉に唾をつけて聞く必要があるかもしれない。
経済・市場が悪化した時に、気候変動に回すお金が減ってしまう可能性も考えられるからだ。
仮にそうだとしても、伝統的な市場と異なり独特のパフォーマンス変化をするだろうことは想像できる。
仮に逆相関でなくても、この戦略がポートフォリオ分散において優れた効果を発揮しうることを示唆している。

ヘッジ・ファンドへの投資家は一般的に相関のないリターンを求めて低リターン、高いフィー、低流動性を受け入れるものだ。
私たちは、気候変動戦略への投資家はそうした犠牲を払うことなく分散の恩恵を得られると信じている。

グランサム氏の論文は個別のファンドの販促を目指したものではないが、事実上ファンドならではの強気なセールス・トークになっている。
リターンはよい、分散できる、とアピールしている。
実績のある投資家だからこそ書ける話だ。
ただし、実際に高リターン・無相関が実現するなら本当にすばらしい。

気候変動戦略への配分は投資家にとって標準的な運用方法ではない。
しかし、何か新しいことを考えたい人にとっては、得るものが大きいと考えている。
うまく設計された気候変動戦略は、潜在的なリターン・分散・インフレ対策だけでなく、経済の大きなリスクからもポートフォリオを守ってくれるだろう。


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