民度の低い仮想通貨村、利用される金融メディア

ピーター・シフ氏が米金融メディアCNBCに怒っている。
CNBCの仮想通貨応援団とも言えるコメンテーターが、仮想通貨についてネットでショートしていると開示したのだ。


ブライアン・ケリーがたった今CNBCで初めてビットコインをショートしていたことを開示した。
この利益相反を開示しなかったのは極めて悪質だ。
彼はCNBC視聴者に対しビットコインを煽ってきたから、上げを崩すこともできた。
CNBCは視聴者に謝罪し、ネットワークからケリーを追放すべきだ。

シフ氏が昨日ツイートした。
ブライアン・ケリー氏はデジタル通貨投資会社BKCM LLCの創業者兼CEOを務めるかたわらCNBCにコメンテーターとして出演している。
CNBCサイトでは、同氏が2つのファンドを運用していると書かれている。

  • BKCM Digital Asset Fund: 内容は不明だが、名称からして仮想通貨を運用しているのだろう。
  • REX BKCM Blockchain ETF: 仮想通貨・ブロックチェーン関連企業の株式を運用するETF。

ケリー氏の前職はヘッジ・ファンドの運用者だ。
しかし、CNBCサイトの紹介を読む限り、同氏のファンドが仮想通貨をショートするようには感じられない。
実際、同氏は一部ICOが過熱した場合などを除き、一貫して仮想通貨市場に好意的なコメントを続けてきた。
仮想通貨否定派のシフ氏とはCNBCで激しい議論を交わしたこともある。
そのケリー氏が、昨日突然自身のビットコインのポジションをCNBCで開示したのだ。
CNBCによる導入は、かなり恣意的と感じられるものだった。
キャスターはこう振ったのだ。

「ビットコインをこれまでどうトレードしてきたか話して。
・・・
みんなあなたがビットコインを擁護し、一貫して保有してきたと思っている。
でも、そうではないのでしょう。」

これに対するケリー氏の説明は

「私の会社では、ロング/ショートの仮想通貨ヘッジ・ファンドを運用している。
私たちは、短期・長期のスパンでロングとショートを行うシステム・モデルを用いている。」

キャスターがさらに、今年中でどれだけショートだった期間があったか、現在のポジションはどちらかと尋ねると、ケリー氏は前者をスルーし後者だけに答えている。


「現時点の方向性はほぼ中立か、おそらくネットでショートだろう。
しかし、底が近いと考えている。」

ケリー氏の他のコメントでも、ネットでショートしているという事実以外、基本的に仮想通貨に対する擁護しか出てこない。
しかし、その本人が現在、ビットコインをショートしている。
これは危うい報道だ。
それがわかったからこそ、危機感を持ったCNBCが強く開示を誘導したのだろう。
シフ氏はそれでは不十分と考え、憤慨しているわけだ。

法や規則に触れるかどうかを別にすれば、極めて悪いマナーと言える。
高名な投資家・コメンテーター、例えば、通常ブルが多いデニス・ガートマン氏、ショート・セラーのジム・チャノス氏などは、きちんと自身のポジションを開示して推奨を行っている。
ルールの上では、ウェブサイトやビデオの最後に読めないほど小さな文字で書かれた免責事項で免罪されるのかもしれない。
しかし、それではフェアーでないと考えるから、ポジション・トークをするにしても、ポジションを開示した上で行うのだ。
そうした人たちとの比較において、ケリー氏という仮想通貨応援団員のモラルは極めて低い。

ケリー氏はショートしていると言ったが、それはさらなる下落を望んでいるためかもしれない。
底が近いと言ったが、出演後、すぐさまポジションを反転させたかもしれない。
この人の言葉への信頼は失われ、それは仮想通貨の評判さえいくぶん落とすことになるのかもしれない。

何かがバブルになる時、こうした人物がメディアと相乗効果を発揮することがある。
本心ではない見通しで相場を煽ったケースは、ドットコム・バブルのヘンリー・ブロジェット氏、住宅バブルのDavid Lereah氏などが挙げられる。
虚偽または誤解による資産クラスへの賛美を世に広めたのがメディアだった。

こうしたメカニズムの化けの皮が剥がれるのは、バブル終期の特徴でもある。
倒壊しかけた建物からネズミが逃げ出すようなものなのだ。
問題は、崩れかけているのが仮想通貨だけなのか。
倒れていく方向に大切な建物があるとしたら、対岸の火事ですまなくなってしまう。
新債券王ジェフリー・ガンドラック氏はかねてから、仮想通貨をリスク資産の優れた先行指標と話している。


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