Exclusive 政治

民主主義に忍び寄る脅威の方程式:レイ・ダリオ

ブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏が、メディアに蔓延する商業主義・センセーショナリズムについて批判した。


私にはこう思える:
メディアの歪み + 二極化拡大 + 次の選挙 = 質の高い民主主義への大きなリスク

ダリオ氏がSNS投稿でメディアの歪みに対する危機感を示している。
同氏が危機感を示す対象は偏向したり明らかなフェイク・ニュースを流すメディアだけではない。
主流メディアも問題を抱えるとし、それに気づいた人々が信頼しなくなっていると書いている。

「主たる目的として正確さや報道としての誠実さよりセンセーショナリズムや商業主義が優先されるにつれ、信頼の失墜はウォールストリート・ジャーナルやニューヨーク・タイムズのような信頼ある報道の象徴にまで及んでいる。」

ダリオ氏がメディアのセンセーショナリズムに意見するのは今回が初めてではない。
昨年もウォールストリート・ジャーナルが誤解を招く見出しで記事を出したことをすぐさま批判している。
今回ダリオ氏はより影響力の大きな分野について心配している。

あるとても有力な選挙屋が私に解説してくれた。
次の選挙では、わずか50万人の人たち、つまりスウィング・ステート(支持が変わりうる州)の選挙民が選挙結果を決め、彼らを獲得する方法は批判的でセンセーショナルな見出しだ、と。
そのため、この選挙屋はそうすべくメディアと協働しているのだという。

ダリオ氏はこうした現実を「民主主義の脅威」と書いている。

何度も同じことを書いて申し訳ないが、もしまだ見たことがないなら、FPは1997年の映画『ワグ・ザ・ドッグ』をお薦めする。
大統領が選挙のためにフェイク・ニュースを流したり戦争を始めたり・・・
映画そのままのことが今起きている。
その上、メディアまで事実を優先しないなら、人々は何を元に意思決定すればいいのか。

ダリオ氏は、何らかの解決策を考えるべきという。
自身を門外漢としつつも、例えば映画業界におけるアメリカ映画協会(業界団体)が行う映画のレーティングのようなことを考えられないかと提案する。
ダリオ氏は読者に2つの質問を投げかけている。

1) メディアが真実性・信頼性を失うのは恐ろしいことという私の意見に同意するか?
2) それに対してあなたはどんな提案をするか?

近年、人々が自分の好むメディアだけしか見ないという傾向が高まっているのは日本でも同じこと。
ネット・メディアが爆発的に増え、選択肢が増えたことがそれを助長しているといわれる。
この行動は、ダリオ氏の問2)に対して、消極的な解決策を選択していることになる。
つまり、自分が支持するメディアだけを信じ、もっぱら視聴・購読するということだ。
これは当然、社会の二極化、多極化を助長する。
二極化・多極化は、ダリオ氏が唱え続けている長期サイクル終期の方程式の3つのインプットのうちの1つである。


-Exclusive, 政治
-

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 その他利用規約をご覧ください。