正解は「わからない」:スタンリー・ドラッケンミラー

スタンリー・ドラッケンミラー氏が、貿易交渉をはじめとするトランプ政権の政策の経済・市場への影響を見定めあぐねている。
先日ポジションをフラットにしたと明かした同氏は、先行きの不確実性を嫌っているようだ。


答は『私にはわからない』だ。

トランプ関税は経済を停滞させるほどのものかとのCNBCの問いにドラッケンミラー氏が7日答えた。
しかし、同氏には気になる観点があった。
それは、トランプ大統領が経済・市場にもたらした「アニマル・スピリット」だった。
ドラッケンミラー氏は、大統領選直後に話し合ったことを回想した。

「私たちは減税や規制緩和について誰も理解していない点について話し合った。
なんでトランプが当選して市場が下がるんだ?」

大統領選前、トランプ勝利なら経済・市場に悪影響が及ぶと予想したエコノミスト・投資家は少なくない。
特に有名なのはポール・クルーグマン教授で、トランプ勝利ならば経済・市場は大打撃を受けると予想していた。
しかし、そうした願望まじりの理論的予想は裏切られることとなった。


ドラッケンミラー氏は当時のインタビューでアニマル・スピリットに言及していた。
この見えない現象は市場・経済の自信と関係しており、それら参加者が自信を高めれば活動は活発になる。
企業経営者も投資家も自信を高めればリスク・テイクを活発化するからだ。
ドラッケンミラー氏はその時、トランプ政権で経済成長が3%を実現しうると予想した。
その後の経済・市場の勢いは目覚ましく、ドラッケンミラー氏は、もっと自分の予想を信じればよかったとおどけている。

アニマル・スピリットの高まりという構図を思い描いていたドラッケンミラー氏にとって、トランプ関税は直接的効果だけを見るべき問題とは思えないようだ。

「少なくとも関税だけを計算しても、それがさほど悪影響を及ぼすものとは見えない。
しかし、同時に、偉大な頭脳を持ち、私よりはるかに高いIQを持つベン・バーナンキでも、サブプライムは封じ込めたと思ったんだ。」

経済も市場も理詰めで動くわけではない。
最終的には参加者の心理が動かすものだ。
ある心配事の被害が限定されたからといって、それ以外の心理的波及を無視するのは早計だ。

ドラッケンミラー氏は、関税以外にもいくつか重要な出来事があったと語る。

Huaweiと5Gは米国だけでなく世界の経済成長の最大のエンジンの1つとなるはずのものだった。
それが今脅かされている。
サプライ・チェーンが阻害され、世界中のサプライ・チェーンがねじれてしまっている。
そこでみんな迷い始めた。
そして突然メキシコの話が出て、たいへんな不確実性だ。


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