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次またはその次の大きな金融危機のタネ:セス・クラーマン
2019年1月24日

高名なバリュー投資家、Baupost GroupのSeth Klarman氏が年次の投資家向け書簡の中で、政治・社会の動揺で投資がやりにくくなったと吐露している。
さらに、金融危機のタネは着実に増えていると警告した。


ひっきりなしの抗議運動、暴動、政府閉鎖、エスカレートする社会的緊張のため、いつものような仕事がやりにくくなっている。

クラーマン氏の投資家向け書簡についてCNBCが伝えている。
職業的投資家は通常はあまり政治について多くをコメントしないものだ。
特に、政治的動きに対して価値観を込めて論じることを避ける傾向がある。
ところが、最近ではそうしたことが当てはまらなくなっているようだ。

投資家にとって政治とは難解な要素だ。
他のいいかげんで済まされる仕事とは違い、投資においては極力リスクを数値化することが望まれる。
その点、政治にともなうリスクを数値化するのはとても難しい。
トランプ大統領のように前例が役に立たない場合にはなおさらだ。
それが投資家を悩ませる。
結果、多くの投資家はどうするか。

「第2次世界大戦後の国際的秩序が浸食され続けるにつれ、孤立する米国・漂流する世界・争奪戦となる世界の指導的地位の長期的含意について市場が無視するようになっている。」

自身がわからないリスクに目をつぶってしまうのだ。
かつてレイ・ダリオ氏は、自身が得意としない分野については、リスクに対して中立なポジションをとるよう心掛けていると話していた。
《リスクに対して中立》とは、山を張らずに、どちらに転んでも大きな影響を受けにくくすることだ。
しかし、今の投資家はそうではない。
非日常だったことが日常となったことで、リスクであることをリスクと認識しなくなっているのだ。
これは、とても危ないことだとクラーマンは指摘しているのである。

クラーマン氏は、リスクの所在は政治や社会だけではないという。
政治の劣化にともない、経済にも大きな危機が訪れる可能性があるという。

次の大きな金融危機(またはその次)のタネは、現在のソブリン債の水準の中に見つかるのかもしれない。


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