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次は危機ではなくスクイーズ:レイ・ダリオ
2019年10月31日

ブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏が、次の景気後退が急激な危機でなくだらだら続くスクイーズになると予想する理由を説明している。


「2007年には(問題)債務がいつ期限を迎えるか計算するのが容易だったと思う。
そして、不適切な金額が調達されていた。
だから、ああした債務危機を私たちは予想し、それに応じたポジションを作ってあった。」

前回の危機をうまく乗り切った経験を尋ねられ、ダリオ氏がBloomberg番組で語った。
サブプライム/リーマン危機でほぼすべての市場参加者が大きな傷を負う中、ブリッジウォーターは大きなプラスのリターンを上げている。
危機を見切った同社にとって債務危機もまた収益機会なのだ。

番組MCの興味の関心は、次の景気後退でも同じことを繰り返せるのかだった。

「こうした計算は毎回同じではない。
言い換えると、債務の金額や全体の問題が同じようには見えない。
かなり莫大な金額のある種の債務についてゆっくりとしたスクイーズが起こるのではないか。」

ダリオ氏は細かな話こそしないが、前回の危機と次回の景気後退期は性質が異なると考えているようだ。
サブプライム/リーマン危機は住宅、MBS、そのデリバティブで起こったバブルの崩壊だった。
ダリオ氏は最近、長い超低金利を背景にした社債市場に危機感を示していた。

さらにもう1つ大きなフィールドが存在する。
先進諸国のほとんどが頭を抱える社会保障負担だ。

しかし、スクイーズが大きくなるにしたがい、特に年金債務や医療にも及ぶ。
米国は大きな財政赤字にある。
米国が約束した金額は大きいが、もっと緩やかなペースでやってくる。
だから、それがスクイーズを生むと思う。

ダリオ氏が、経済・市場の急激な調整を予想するのでなく、ゆっくりとした変化を予想するのは、対象となる負担・債務の性質を見てのことのようだ。
同氏は今後の政治の方向性をおぼろげに予想する。

「財政支出についてはおそらく増大が見込まれ、財源がともなわないだろう。
・・・
今から選挙までの間、私たちは極めて大きな隔たりのある政策を聞かされるだろう。
とても左派の政策、とても右派の政策、より極端な政策だ。」

米国民は「より極端な政策」から二者択一を迫られている。
それなのに、財政支出については増大が見込まれている。
右を見ても左を見ても財政拡大路線を望んでいるのだ。
すでに財政赤字拡大が問題視されつつある米国はこれをどう乗り切るのか。

それと関係して重要と思うのが、その時に効果的な金融政策がないということだ。
とてもありそうな金融政策は大規模な債務マネタイゼーションだ。

かなりの確率で米国が日本化するのではないかと思わせる話だ。
もちろん日米はまったく性質の異なる社会・経済だが、金融・財政の日本化が進み、それによくない要素があるとすれば、米経済・市場の輝きは失われるのかもしれない。
ダリオ氏のいう「スクイーズ」(これはバブル後の日本の四半世紀とダブる)がぐずぐず居座るなら、輝かしい米国株市場は(少なくとも中期的には)過去のものとなってしまうかもしれない。


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