次の準備通貨は金:ピーター・シフ

ユーロパシフィック・キャピタルのピーター・シフ氏が、ドルの凋落と金の基軸通貨への復権を予想した。
FRBの失策がドルの価値を貶め、それを敏感に感じ取った世界の中央銀行は金に向かっているという。


「金価格を振り返ると、金は2001年には300ドルを下回っていた。
人々がFRBの金融政策が間違っていると正しく心配した2011年には1,900ドルまで上昇した。」

シフ氏がFOX Businessで、今世紀の金価格を金融政策の文脈から解説した。
同氏は理由を述べていないが、2011のところで市場がFRBへの信頼を取り戻したのだという。

金価格と実効FF金利
金価格と実効FF金利

「すべてがうまく行っていて、FRBがバランスシートを元に戻せ、政策金利も正常化できると思うようになると、金は1,000ドルちょっとまで低下した。」

金は最近目覚ましい上昇を見せ、市場の注目を浴びている。
2015年の年末の底から5割ほどの上昇だ。
そして、この時期はFRBが利上げを始めた時期と不気味に一致する。
FRBがゆっくりと利上げし、バランスシート正常化を進めるにつれ、金はとてもゆっくりと上昇を始める。
そして、FRBの金融政策正常化が頓挫すると、金は上げ足を速めた。

これは、みんなが、どの問題も解決していないことに気づき始めたためだ。
実際、FRBは私が2011年に考えたよりはるかに大きな失敗をしでかしてきた。
FRBは経済に大きなダメージを与え、金が大きく上昇した。


シフ氏は、市場の2011年までの判断が正しかったと評している。
その後のFRBがうまくやるという判断は間違っており、今それが訂正されていると言いたいのだ。
シフ氏は、金・銀を買った人こそ勝者だと語った。

シフ氏は、ドル相場の見方にも注文をつける。
ドルが高値圏にあるとの見方は、その基準が間違っているというものだ。

「みんなは他の法定通貨に対するドル相場を見てきたが、ドルが金に対して減価してきたのを見れば、今がドル高でなくドル安であることがわかる。
もっとドルは下がるだろう。」

シフ氏は、これまでも米国の金融・財政政策が誤った方向に向かっていると言い続けてきた。
だから、同氏の予想はドル安となる。
ただし、シフ氏の価値の基準は、同氏が唯一真の通貨と考える金にある。
ドル建て金価格が上昇するとは、金を基準としたドルの価値が下がることだ。
それが、他の法定通貨でも起こっている。

この現象に気づいているのは民間の投資家だけでないとシフ氏は示唆する。

「中国もそれ以外の中央銀行も(金を)買い続けるだろう。・・・
諸外国の中央銀行は、ドルが準備通貨の地位を失うことを想定したポジションを取り始めるはずだ。」

実際、ロシアや中国は最近、大量の金を外貨準備に繰り入れている。
これは、外交・経済的な理由からドル保有を軽減しているためと説明されることが多い。
定性的にはドルを基軸とする通貨制度が弱体化しているように見えるが、一方でまだドルに代わりうる通貨が現れていないのも事実だ。

シフ氏は独自の予想(おそらく金本位制)を展開した。

実際にドルはそのステータスを失い、準備通貨の地位は他の通貨に移るのではなく、実物のマネーである金に移ることになる。
これこそ中央銀行が買っている理由だ。
彼らは買い続け、個人も買った方がいい。


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