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次の景気後退が過酷になるワケ:ロバート・シラー
2019年11月21日

資産価格の実証的研究で2013年ノーベル経済学賞を受賞したロバート・シラー教授が、次の景気後退は過酷なものになると予想し、意外な原因を挙げている。


不確実性は事業に有害だ。
みんな『しばらくは待機しよう』と言い出す。

シラー教授がBarron’sで、現在の米経済の問題を尋ねられて真っ先に挙げたのが関税問題だった。
教授が問題視するのは関税そのものだけではない。
トランプ大統領の中国をはじめとする諸外国との駆け引きが、状況に不確実性を与えている点も重大と指摘している。

また、シラー教授は自身が「貿易ナラティブ」と呼ぶものの強力さにも心配している。
貿易戦争が大恐慌を連想させるためだ。

「前回の大事はグレート・リセッションと呼ばれている。
私たちは大恐慌(グレート・ディプレッション)にちなんで命名した。
つまり、私たちは貿易戦争を含む過去の悪い経験を呼び起こしたんだ。
それが今、恐ろしいシナリオになっている。」

シラー教授だけでなく、多くの人が貿易戦争に対して心配しているにもかかわらず、米国株市場は依然として最高値を追い続けている。
この一見アンバランスな状況について、シラー教授は事実を淡々と述べている。

CAPEは歴史的平均の17倍に比べ30倍付近と高い。
でも2000年にはもっと上げて46倍、これは50%も上だ。
いい終わり方はしなかった。
今は当時の(株価指数の)ピークより上にある。

シラー教授は、いつかは現在の危ういバランスが崩れると考えているようだ。
その一方で、CAPEレシオにはタイミングについての予想力がないこともわかっている。
だから、さらに上がる可能性も排除していない。

シラー教授は次の景気後退についての心配を語る。

もう1つの心配は、次の景気後退が過酷なものになるかだ。
それがいつ来るにせよ、典型的なものより過酷になる確率が高いと考えている。

なぜ次の景気後退がより過酷なものになるのか。
シラー教授は、環境が合った時に繰り返し現れるナラティブが作用するのだという。
次の景気後退期「機械が雇用を奪うナラティブ」が再来する環境が整う可能性がある。

次の景気後退期、このナラティブが増幅されるかもしれない。
今でこそ問題視されておらず謎だが、しかし、仕事がなくなることを恐れれば、当然ながら支出を切り詰める。
それが過酷な景気後退をもたらしうる。


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